在宅勤務「死なせるか・生かせるか」の致命的差 緊急事態解除でオフィス回帰はもったいない

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では、なぜテレワークは根付きにくいのか。その背景にあると考えられるのが、テレワークを経験して、多くの人が感じた“デメリット”である。週刊東洋経済の読者アンケートから浮かび上がったデメリットは、大きく以下の3つだった。

1つ目は、仕事環境である。アンケートには、「自宅のパソコンではモニターが小さい」「通信回線が不安定」「セキュリティー面で不安がある」といった声が多く届いた。加えて緊急事態宣言下では、子どもが休校で家にいたため、仕事をしづらく感じたとの回答も目立った。

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2つ目が、コミュニケーションだ。アンケートには「オフィスなら1分で済むような会話も、ビデオ会議するには事前調整の手間がかかる」「職場と違い、ちょっとした相談をしにくいのがストレス」といった声が多かった。ビデオ通話はやはりリアルなコミュニケーションにはかなわない、と感じた人も少なくないだろう。

3つ目が、上記のコミュニケーションと関連するが、社員の評価である。普段の部下の状況を観察しやすいオフィスと異なり、テレワークでは部下の仕事のプロセスが見えづらい。アンケートでも、「部下の仕事ぶりを把握しにくく、人事評価に課題がある」といった回答が届いた。

“ソロワーク”の状態にも

その結果、「テレワークでは社員が孤立しやすい課題も生じる」と指摘するのが、リクルートマネジメントソリューションズH R企画統括部の武藤久美子氏だ。「もともと自律的な働き方をしていた人はテレワークになじみやすい。一方で指示待ち人間だった人がテレワークすると、何をやればいいかわからず、孤立して “ソロワーク”の状況になりやすい」(武藤氏)。

こうしたコミュニケーションや評価の課題は、日本型の雇用慣習と結びついていると、前述の小林氏は指摘する。「日本型雇用の企業では、同じ時空間に社員が集まることで形成される“暗黙知”によって仕事が進む傾向がある。テレワークではその暗黙知を伝達しにくいため、仕事が進みにくくなる」(小林氏)。

社員の評価においても、テレワークでは仕事のプロセスが見えづらいため、成果での評価が求められる。しかし日本型雇用では制度上、成果差が報酬差に反映されにくい側面があるため、「職場での不満の種になりやすい」(小林氏)という。

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