「乳児にマスクはさせられないし、最近自分の手で顔を触るようになってきたので、家にいるしか予防はできない。子育ては濃厚接触なので、親も気が抜けません」
中島さんが住む市では、産後3カ月まで産前・産後支援ヘルパーとして、格安で生活補助をお願いできるため、週1回は料理や家事の手伝いに来てもらっていたが、それも3月いっぱいでやめた。ヘルパーさんは電車でやって来るので、少しでもリスクを減らすためだ。
「ただ、予防接種だけはきちんと受けさせてあげたい。なので、予防接種の人だけの時間帯を設けている病院を予約しました。3カ月健診は6月に予定されていますが、集団健診のためそれはどうなるかはわかりません。息子はとても元気そうだけど、ちゃんと診てもらいたい。でも、6月はまだ怖い。個別対応してほしいというのが正直なところ」
友人が遊びに来る予定はもちろんすべてキャンセル。世の中はオンライン飲み会が盛んだが、乳児がいる世帯が参加することは、物理的に不可能だ。
保育園の見学もできない
「育休取得にあたり、『言葉の通じない赤ちゃんと向き合っていると息が詰まるから、週1回3時間でも半日でも1人の時間を作ることが大事』とアドバイスをもらったので、夫婦で実践するつもりでした。でも今はリビングと寝室だけの生活。今はもっと大変な人がいるから、それくらい我慢しないといけないと思いますが」
いちばんのリフレッシュは食べたいものを作って食べることという中島さん。
「育休に入って最初の1、2カ月は、家事、食事作りを全部やりましたが、そうしたら毎日のように買い忘れがあり、3食作るのがどれほど大変かを思い知りました。いろんな人がTwitterでレシピとか上げてくれていて、すぐ作って、すぐ食べたいと思うけれど、でも、スーパーに行く回数を減らすと、冷蔵庫にあるもので食べるしかない」
中島さん本人の育休は6月末に終わるが、妻はフリーランスのため育休がない。本当なら、5月から3人で保育園の見学をして、なるべく早く復帰したいと思っていたが、保育園見学もできず。今年の保育園入園は難しいと思っているという。
3月中旬に里帰り出産した田中葵さん(仮名、33歳)は、1カ月健診が終わった4月下旬に帰京する予定でいたが、延ばし延ばしになっている。
「里帰りしたのは2月の頭だったので出産に影響がなかったのですが、その後、緊急事態宣言が出され、社会状況を見ながら、夫や実家の両親と検討をしています。家族内でも危機感が違っている場合もあり、考えや思いを話し合いで一致させていくことが大事だなと」
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