コロナ禍が新卒採用へ与えた影響の深刻度 日程が大幅に変更、中小はオンライン化遅れ

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企業のコメントを読むと、採用担当者の前向きな姿勢が目立つ。

「時間をかけ準備をしてきたにもかかわらず大幅な変更を余儀なくされた」(1001人以上・教育)という嘆き節もあるが、「オンラインとライブの融合を積極的に検討する」(1001人以上・情報サービス・インターネット関連)や「2021卒採用は状況が不透明で判然としないが、人手不足の当社のような業界にはチャンスでもあると思っている」(1001人以上・フードサービス)という声もある。

また、「現在の選考方法や会議体、働き方を再考する良い機会になると考えている」(1001人以上・電機)や「これを機会に画一的な受入方法を見直しすることを検討したほうがよい」(1001人以上・電機)という意見もある。

学生のマインド形成についての言及もある。「学生から社会人へのマインドセットの不足が懸念される」(1001人以上・旅行・ホテル)という懸念はもっともだ。2021卒入社の評価は来年以降のテーマになるだろう。

2022年卒採用はどうなる?

これまでHR総研が実施した3回の調査を概括してきた。最後の第3回調査は3月末に実施したが、それ以降に大きな変化があった。4月7日に緊急事態宣言が発令され、繁華街の灯は消えた。高速道路の渋滞は解消され、新幹線は空席のまま走り、国際線を中心に減便が相次ぎ、空港は閑散としていった。

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5月25日に緊急事態宣言は解除されたが、「3密(密閉、密集、密接)」を避けるというキャンペーンは継続している。しかし、1カ月前、2カ月前のような混乱からは脱出しつつある。コロナ禍の影響は続くとしても、一定の秩序が形成されてきたように思える。

冒頭に述べたようにHR総研では5月15日~20日に第4回目の調査を実施した。現在データを集計、分析中だ。2021年卒採用だけでなく、2022年卒採用についての採用企業の考え方も見えてくるはずだ。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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