女子就活生の内定状況について、気になる調査結果が出ている。
リクルートキャリア・就職みらい研究所が行った、2021年卒生の5月15日時点の全体の内定率は49.2%。5月1日より3.5ポイントの上昇幅にとどまった。コロナの影響で内定出しが鈍化している状況だ。
問題は属性別の数字だ。男子就活生の内定率51.8%に対し、女子就活生は46.4%と、5ポイント以上の差が出た。2020年卒では男女の内定率に大きな差がなかったが、今年は女子就活生の内定獲得がより遅れている。この男女の数字の違いは、引き続き注視する必要があるだろう。
ではその女子学生が注目している企業はどこか? 4月6日の配信記事「就活生2.4万人が選んだ『就職人気ランキング』」で、2021年卒生の就職人気企業を紹介した。同時に男女別、文理別といった属性別のランキングも作成している。今回は女子就活生1万5000人に絞った「就職人気ランキング・女子学生版」の上位100社を見ていきたい。
女子就活生の内定獲得が遅れている?
ランキングは、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所では毎年、就活生に興味を持っている企業を尋ねる「就職ブランドランキング調査」を実施し、定期的に発表している。
調査対象者は、就職サイト「ブンナビ!」に登録する現在就活中(2021年春卒業予定)の大学生や大学院生で、登録者のうち、大学名を問わず2万4000人以上が回答している。調査期間は2019年10月1日から2020年3月15日まで。「前半」とあるのは、同調査は年2回実施しており、調査をあこがれやイメージが強い就活の「前半」と、実際の説明会や面接を経た「後半」とを分けて傾向の違いを分析している。
1位は全日本空輸(ANA)。2018年卒生から4年連続で1位となっている。女子学生にとってのエアラインへの人気は引き続き根強い。ただ、変動もあり、昨年まで2年連続で2位だった日本航空(JAL)は5位にランクダウンしている。
今回の調査の終盤は、新型コロナウイルスの感染が広がっている時期で、世界的な移動の禁止により、航空業界へのダメージが大きくなっていた。それがランキングにも影響を与えたと思われる。
さらに2021年卒ではグループ全体で3200人程度の採用を予定していたが、5月8日に採用の一時中断を発表した。「移動需要が急激に減退し、今後の事業計画を策定することが困難な状況」であることが理由で、再開時期については慎重に検討していくとしている。今後、7位のANAエアポートサービスも含めて採用計画に大きな変更が生じることになれば、就活戦線全体にも影響を与えることになるだろう。
2位は総合ランキング1位の伊藤忠商事となった。男子も1位で男女含めて人気になっていることがうかがえる。3位は博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ、4位日本生命保険と続く。上記以外のトップ10は、6位明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)、8位JTBグループ、9位大日本印刷、10位集英社となっている。
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