密造酒飲み700人死亡も、「コロナ・デマ」の悲劇

コロナ予防・治療の真偽不明情報がSNSで爆発

(監修)東京大学 関谷直也准教授

情報爆発の結果、海外では健康被害が続出していることもわかってきました。

「アルコールでうがいをしたり、飲んだりすると、喉のウイルスを殺すことができる」

こうしたデマを信じ、イランでは工業用アルコールの入った密造酒を飲み、700人以上が死亡しました。

抗マラリア薬を飲んで死亡・体調不良の例も

さらにアメリカでは、抗マラリア薬に効果があるという情報を基に、自分の判断で飲んでしまった人が死亡、さらに、俳優トム・ハンクスさんの妻も服用して体調を悪化させるということが起きています。

実は、デマや真偽不明の情報が拡散することは、感染症の拡大を招きかねないというシミュレーション結果も出ています。イギリスの国立イーストアングリア大学で感染症を専門とするポール・ハンター教授は、過去に流行したノロウイルスやインフルエンザのデータを基にして、デマの拡散がどのように感染拡大に影響を与えたのか、その結果を調べました。

対処法に関する情報がまったく流通していない状況と、正しい情報とデマの情報の流通量が半々である状況で、患者一人あたりの2次感染者数を比べると、デマ情報が拡散している状況のほうが、感染が拡大する結果となりました。

一方で、デマの情報量を抑えると、今度は2次感染者数が下がるということもわかったのです。

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