アフターコロナで改めて考えたい「戦略の本質」

GAFAはイノベーターではないという事実

GAFAの戦略に今学べることとは?(写真:Rhetorica / PIXTA)
世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス。このような緊急事態に対処するためにも、これまでの歴史の中で生まれた“戦略”の数々を学ぶことが大切だというのが、『3000年の叡智を学べる 戦略図鑑』の著者で、ビジネス戦略、組織論に詳しい鈴木 博毅氏です。
人の一生で起こるかどうかわからないほど稀な出来事、長期スパンで生まれる現象は、日常の体験のみから判断はできません。だから、過去をより長いスパンで知っているほど「稀にしか起こらない可能性」までも考慮に含めてより安全な対策を取れるといいます。今回は、世界トップに君臨する4企業・GAFAの戦略を解説してもらいます。


今回ご紹介する戦略は「GAFA」、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのものです。4社の世界戦略を解説した書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、2018年の書籍ですが、改めて注目すべきだと筆者は考えています。理由は、コロナウイルスの惨禍が拡大したことで、従来とはまったく違う、新しい市場が生れつつあるからです。

世界規模で膨大な「衛生管理」の新需要が生まれ、日本でもマスク、消毒用アルコール類などは、品薄の状態が続いています。在宅勤務でオンラインミーティングが激増し、店舗ビジネスは通販を含めた新たな販促の手法の開拓が急務になっています。これらすべては予定していない衝撃であり、日本のみならず、世界中が必死で対処を始めている段階です。

人との接触をさけるため、通販で買い物をする人が激増すれば、この分野の雇用が増え、一方でコロナウイルスの影響で営業できない形態のビジネスからは、人材が流出する。

一方で、私たちが人間である限り、食事をして、住む場所を確保し、休息や社会的なつながりも維持されなければならない。人間である限り必要な活動はすべて、形や手法を変えながらも、継続される。そしてコロナウイルスで生まれた衛生管理を含めた膨大な新市場の存在。今、私たちは突然に出現した、まったく新しい市場への対処に戸惑っている状態かもしれないのです。

世界を支配する4企業は「イノベーター」ではない?

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン。今やだれもが知る、現代の消費社会を支配するほどの存在感を持つ、GAFAと呼ばれる彼ら4社の時価総額合計は約430兆円と、なんと東証一部上場企業の7割に相当します(2019年12月時点)。

先行者利益(先発優位)という言葉通り、新たな市場にいち早く参入した企業こそが有利であるというイメージがあるため、GAFAも新しい市場を最初に切り開いたイノベーターであると思っている人も多いでしょう。

ですが、4企業の成長の秘密を分析した書籍『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者、スコット・ギャロウェイは、GAFAの意外な側面を教えてくれます。GAFAがいずれも最初のイノベーターではないという指摘です。

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