コロナ失業「女性が深刻」アメリカの切実な事情 低賃金のサービス業系で多く貯蓄も乏しい

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米サウスカロライナ州チャールストンでバーテンダーとして働いていたシャナ・スウェインさん2人の娘。解雇される以前は、毎晩、客に料理を提供し、「マンハッタン」「コスモポリタン」といったカクテルを作っていた。サウスカロライナ州チャールストンで撮影(2020年 ロイター/Dianne Swain提供)

[8日 ロイター] - 米サウスカロライナ州チャールストンでバーテンダーとして働いていたシャナ・スウェインさん。解雇される以前は、毎晩、客に料理を提供し、「マンハッタン」「コスモポリタン」といったカクテルを作っていた。

だが今、40歳のスウェインさんは5歳、8歳の2人の娘とともに夕食をとり、不動産取引資格の勉強をしている。新型コロナウイルスがもたらした危機で生計が脅かされたことを受けて、こうした資格を取れば、家族のためにもっと長期的な安定が得られるのではないか、と期待している。

20年間バーテンダーとして働いたスウェインさんは、「こんな状況は二度と耐えられない」と話す。

パンデミック(世界的な大流行)に伴う失業の嵐のなかで、早くから大きな打撃を受けたのが、米国の女性たちだ。コロナウイルスのまん延防止に向けた事業活動停止のなかで、女性の就労が多かった雇用が失われたせいである。米労働省が8日に発表したデータによれば、3月に失われた雇用の60%、さらに4月に失われた2050万人の雇用の55%は女性である。

成人女性の失業率15.5%、男性13%より高い

成人女性の失業率も、4月には15.5%と急上昇した。男性の失業率13%、労働者全体の14.7%を上回っている。

家計の唯一の、あるいは主たる稼ぎ手となっている女性は特に速いペースで職を失いつつあり、失業率は4月の時点で15.9%に上昇している。これに対し、配偶者のいる女性の失業率は13%だ。

4月の失業者増大の中心となったのは、娯楽・サービス産業770万人、医療・教育産業250万人である。どちらも消費者と直接対面する産業であり、エコノミストらによれば、非白人女性を含め、女性が多数を占めている。

こうした仕事は全般的に賃金が低い。労働省のデータによれば、スーパーのレジ係やバーテンダーの平均時給は11.40ドル(約1220円)、ウェイトレスは11ドルである。そのため、危機に備えた貯蓄がほとんどない可能性が高い。国内の一部地域では、賃金水準はさらに低い。

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