「新型コロナ治療薬」の開発はどこまで進んだか ウィズコロナ・ポストコロナの米国企業(2)

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世界トップクラスの製薬会社ファイザー(PFE)もワクチンの開発に動いている。

3月に、ドイツを本拠とするバイオベンチャーのバイオエヌテック(BNTX)と新型コロナウイルスのワクチンの共同開発・販売で合意したことを発表した。バイオエヌテックも、メッセンジャーRNAをベースとした免疫抗体などを開発している。5月に入り、ヨーロッパとアメリカですでにフェーズ1の臨床試験を開始したことを明らかにしている。

経済活動の全快には新薬実用化が不可欠

新型コロナウイルス感染症の治療薬や予防ワクチンの開発は、アメリカだけではなく、日本やヨーロッパ、中国などの多くの企業や研究機関において、急ピッチで進められている。早くから治療薬の候補として名前が挙がっていた新型インフルエンザ治療薬「アビガン」も、承認の方向で進んでいる。

ロックダウンによる社会的・経済的影響は広範に広がり、人々の我慢も限界に近付きつつあることも事実だ。一方で、拙速な緩和が感染の再拡大を招きかねないとの意見も根強い。また秋以降、今後1~2年内に第2波、第3波の到来を危惧する説も聞かれる。

いずれにせよ、予防のためのワクチンや治療薬の開発が進めば、リスクは現状よりも小さくなるはず。早期の完成に期待したい。

加藤 千明 ファイナンシャル・プランナー、「アメリカ企業リサーチラボ」運営

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かとう ちあき / Chiaki Kato

大手証券会社勤務の後、1993年7月、東洋経済新報社に入社。主に統計指標をベースとした刊行物を担当する一方、電機・化学業界担当記者としてITバブルの全盛期と終焉を経験。その後は、マクロ、マーケットおよび地域動向を主戦場に、データをもとにした分析、執筆などを行う。2005年より『東洋経済 統計月報』編集長、2010年より『都市データパック』編集長。『米国会社四季報』編集部を経て、2021年2月に退社。現在はファイナンシャル・プランナーとして活動するかたわら、アメリカ企業の決算情報を中心にSNSで発信。

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