国民に愛想をつかされた「アホノミクス」の末路

非常時にこそ露呈する「政策責任者の器」

国民に奉仕するために存在する。それが政府であり、国家だ。この奉仕集団を差配する位置づけにあるのが、現状ではアホノミクスの大将だ。だが、この人は国民を国家に奉仕させようとして「一億総活躍」構想などというものを打ち出してくる。

国民の命が最大級の危機にさらされている今このとき、こんな人が政策を指揮する立場にある。何とも恐ろしいことだ。ただ、チームアホノミクスのこの体たらくが国民の目の当たりに全面的に露呈したことは、真相が明るみに出たという意味で、悪いことではない面もあると思う。

今日のこの危機的状況は、「政府というもの、政策というものがそもそも何のためにあるのか」という基本的なところを改めて正面切って問いかけてくるものだ。拙書『人はなぜ税を払うのか』の中でも申し上げていることだが、政府と政策は、民間の経済社会に対して外付け装置の位置づけにある。その位置から、助け手として働くために存在する。

民間の経済社会が自力ではうまく回らなくなったとき。その場面こそ、外付け装置としての政策の出番だ。リーマンショックのような金融恐慌の勃発時。東日本大震災のような大災害時。今回のように疫病が地球的に蔓延するとき。こうした局面で最大限効果的に緊急出動する。

そのときのために、政府という名の外付け装置は満を持して待機している。この姿が政府というものの正しい姿だ。この構えが政府というもののあるべき構えだ。そして、政府が緊急出動するとき、その主要な道具立てとなるのが財政だ。

緊急時に動けるよう、日頃は清く正しい財政運営が必要

だからこそ、平時において財政は健全性を保持していなければならない。いざというときに機動的に動けるよう、日頃は慎重な運営に徹して余計な無駄遣いはしないのだ。財政赤字など気にしてケチケチするな。そんなことでは経済成長に寄与できない。この種の論法はよく出てくる。だが、今の状況をみれば、これがいかに的外れな考え方かがよくわかる。

今は、確かに財政赤字を気にしている場合ではない。今こそ、財政は思い切って大盤振る舞いに出る場面だ。だが、日頃から大盤振る舞いのばらまきばかりやっていると、理屈のつじつまが合わなくなって、思い切ったことができがたくなるのである。

日頃は、清く正しく財政を運営している。つまり、日銀による財政ファイナンス(中央銀行が政府から国債を直接引き受けること。これをやると政府はいくらでも財政支出を増やせる。だから、日銀による国債の直受けは、財政法第5条によって禁止されている)などをしっかり封印しているのであれば、「この非常時だから、あえて禁断の財政ファイナンスに踏み切る」とか、「今、このときに限って禁じ手の日銀による国債直接引き受けを解禁する」などという言い方ができる。その言い方に説得が伴う。

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