「中古車サブスク」はコロナ特需を生かせるか ガリバーの「NOREL」通常時の5倍の問い合わせ

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車の利用方法をめぐっては、車を所有することにこだわらない人が増えており、カーシェアや相乗りのライドシェアなど「所有から利用」の流れが世界的に加速している。

特に人口減少が進む国内の新車・中古車市場は今後大きな伸びは見込めない。中古車を買い取って自社店舗での小売りやオークションへの卸売りなどで稼ぐIDOMの現状のビジネスモデルにも逆風だ。IDOMにとって新たな利益機会を創出することは急務になっている。

IDOMが展開する郊外型の大型店「WOW!TOWN」。現状では中古車買い取り・販売が売り上げの大半を占めるが、新規事業の開拓も急務だ(編集部撮影)

ただ、車のサブスクは国内での認知度がまだ低く、ノレルの会員数は2020年4月末時点で約3万2000人。パーク24のカーシェア会員数は137万人(2020年3月末時点)とケタ違いだ。

ノレルと個人間カーシェアサービス「GO2GO」を合わせたIDOMの新規事業の年間売上高は4億6000万円(2020年2月期)。会社全体の年間売上高3616億円のわずか0.1%程度にすぎず、収益貢献していくレベルには程遠い。

トヨタ、ホンダのサブスクとの違い

車のサブスクには、国内でトヨタ自動車が2019年から新車で、ホンダが2020年1月から中古車で参入した。トヨタのサブスク「KINTO(キント)」は豊富な資金力を背景にテレビCMを積極的に投入。ホンダは自社の中古車を活用することで最短期間1カ月の月額2万9800円(税込み)に抑えたプランを実現するなど、競争も始まっている

コロナショックに直面した企業の最新動向を東洋経済記者がリポート。上の画像をクリックすると特集一覧にジャンプします

新車サブスクでは収益化のために利用期間を長くする必要がある(KINTOは3年)。一方、車両残価が下がった車を使用する中古車サブスクは、短いスパンで利用でき、利用料金も安く抑えることができる。加えてノレルは、高級輸入車から軽自動車までメーカーを問わず幅広く扱うのが、トヨタやホンダとの最大の違いであり、強みだ。

ノレルはそうした特徴を武器に、コロナ特需で獲得した顧客をいかにつなぎ留められるかが、今後の成長を左右しそうだ。

岸本 桂司 東洋経済 記者

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きしもと けいじ / Keiji Kishimoto

全国紙勤務を経て、2018年1月に東洋経済新報社入社。自動車や百貨店、アパレルなどの業界担当記者を経て、2023年4月から編集局証券部で「会社四季報 業界地図」などの編集担当。趣味はサッカー観戦、フットサル、読書、映画鑑賞。

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