車が突然必要になったとしても、購入には軽自動車の新車で100万円以上、中古車でも数十万円以上の費用が必要になり、簡単には踏み切れない。新車を購入した場合の保有期間は平均9~10年で、そもそも長期間乗り続けることが前提だ。そこで数万円程度の出費で、月単位で借りられるサブスクの利便性が受け入れられているわけだ。
加えて、「短時間のうちに不特定多数の人が利用するわけではない安心感がプラスに働いている」(山畑氏)という理由もあるようだ。
実際、同じく車を利用者に貸し出す形態でも、短時間のうちに不特定多数の人が利用するカーシェアリングは苦戦を強いられている。国内最大手のパーク24が展開する「タイムズカーシェア」では月別の利用回数を開示していないが、「新型コロナで大きく減っている。とくに4月に緊急事態宣言が出されてからの落ち込みは大きい」(広報担当者)。
短期間の利用だけでは「赤字」
外出自粛によって移動需要そのものが落ち込んでいることが利用減の最大の要因だが、最短10~15分単位で利用者が入れ替わるカーシェアのサービス特性も影響しているようだ。
同社では、カーシェア車両の定期清掃時に利用者が手を触れる部分を中心に消毒するほか、車内に除菌スプレーを常備するなど対策を強化しているが、利用者の不安を完全に払拭できているわけではない。
追い風を受けるノレルだが、コロナによる短期間の利用で終わっては元も子もない。税金や運搬費用の一部など初期費用を会社側が負担していることから、「短期間の利用で解約されると赤字になる」(山畑氏)。利用者に長く契約し続けてもらい、全体の期間の中でサービスに支払う合計金額を最大化することで利益を確保していかなければならない。
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