町内会がコロナ禍でこそ役割を発揮できる理屈 物理的距離を取らせつつ、つながりも作れる

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私の提案は不吉に聞こえるかもしれない。市民社会において地域監視ネットワークを作ると言ったら多くの人は日本の軍国主義の暗い谷間を思い起こすだろう。実は私も3カ月前にはこのような言葉を書き表すなど想像もしていなかった。しかしコロナタイムで事情が意外と素早く変わるし、このウイルスは、私たちに以前は考えもしなかった選択を強いるようである。

ウイルスの感染拡大を効果的に鎮圧するには、何カ月にもわたり何らかの形で人との接触を避けるよう何百万人をも説得する必要があり、1人ひとりの自制だけでこのような長い期間努力を維持するのはかなり無理があろう。

また、個人の行動を形作るために民間で監視しようとすれば確実に怒りを買うだろうが、それでも戦時中の隣組の力や他国で実施されている厳しい封鎖と比べると穏やかな対応だと言える。

町内会の訓告に法的拘束力はないが…‥

町内会によって出された訓告に法的拘束力はなく、できるのはパブリックマナーの規範を確立し、不用意に他人の健康を危険にさらすことを選択した人々を恥じさせることくらいだ。

人と人との社会的距離を保つソーシャルディスタンシングの必要性がある程度緩和された時、町内会がさらに力を発揮する可能性もある。緊急事態宣言が解除された後、コロナを抑え込む努力は、全面的な準ロックダウンから、詳細な監視と局所的クラスターの封じ込めを行う段階に移行する。

町内会はそのような対策を実施するための理想的な組織になりうる。地域内のアナログ監視は、政府が考案した中央集中型デジタル機器よりも抑圧的でなく、効果的でもあることが明らかになるかもしれない。

町内会にいくつかの欠点があっても、地域の連帯を築く役割を果たすこともできる。これは今後数カ月の間に切実に必要とされる力だ。この組織は人々に物理的な距離を保つようにと言いながら新しいつながりの構築を助けることもできる。これまでの災害時と同じように、伝染病によって最も被害を受けた人々に食料、薬、そして慰めを提供することができるからだ。地域コミュニティは現在の危機によって、以前よりも強くなって続いていくことになるかもしれない。

逆説的だが、ソーシャルディスタンシングを維持するための最良の方法は、人間が結束することなのだ。

ポール・クライトマン 米コロンビア大学東アジア言語文化学部20世紀日本史准教授

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Paul Kreitman

イギリス・ロンドン生まれ。2006年オックスフォード大学歴史部卒業。2015年プリンストン大学歴史学Ph.D。日本戦時の銃後動員化および無人島の環境史を研究する。論文『戦時戦後東京における糞尿攻め』を2018年にEnvironmental History誌から出版。書籍『日本の海洋ボーダーランド』を、2021年ケンブリッジ大学出版から出版予定。

Twitter: @Paul_Kreitman

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