ミュージシャンからコンサルに転職してみた マイナスの第一印象を、いかにプラスに転換するか

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「面白そうなやつ」と思われ、25歳で大企業に内定

高校時代、世界的に有名なギタリストに師事し、プロのギタリストとして芸能界に入った。演歌からアイドルまであらゆるジャンルを演奏する職業ミュージシャンになる。

ハードロックとジャズが好きで、「ホワイトスネイク」か「マイルスデイヴィス・バンド」に入るという夢を抱き、アメリカのバークリー音楽大学に進学。世界の一流ミュージシャンたちと接したことで、一ギタリストとして日本の芸能界との差を痛感する。

「日本のミュージシャンの地位はそんなに高くないし、技術力の高さもなかなか理解されない。一方、アメリカのミュージシャンは尊敬の対象として地位が高く、すばらしい作品を自由に作り出せる環境にあり、何より音楽を愛している。このまま日本の芸能界で音楽を続けていたら、音楽嫌いになってしまうと思い、やめる決意をした」

1980年代後半、「第二新卒」という言葉もなかった時代。普通に就職できるとは思わなかったので、試験にさえ受かればなれる教員を目指す。帰国子女で英語はネイティブ並みに話せるので、青山学院大学英文科に入り直し、英語の教員免許を取得。高校の採用試験にも合格した。

卒業したのは1992年、25歳のときだ。企業の求人の年齢制限を超えていたが、試しに就職活動をしてみた。日系の有名企業にあちこち履歴書を送ると、「面白そうなやつ」と思われ、面接に呼ばれて、ほとんどの企業から内定が出た。

その中から日系大手メーカーを選び、SE(システムエンジニア)となる。「もともとギターという技術職だったので、手に技術を持ちたかった」。日本を代表する銀行のシステムを担当し、プログラミングと金融の知識を徹底的に習得する。

「人生を捨てるのか」と上司に言われた

グローバルで仕事がしたいとずっと考えていたこともあり、1995年、28歳で外資系通信会社のAT&Tに転職した。「当時は日本の大企業を辞めるのはありえない選択だった。しかも外資系に転職するのは珍しく、ほぼなかったルート。上司に『人生を捨てるのか』とさえ言われた」。

そのルートを突破したのは、やはり「元ミュージシャン」という肩書きだ。とにかく目立つ。そしてビジネスの土俵では一見、デメリットに見られる。だが、日系大手企業で仕事をしてきたのだから、「既存の仕事もきっちりできる」と思われれば、否定的な第一印象が一気にプラスに転換し、硬さと柔らかさを兼ね備えた人材として、希少性の高い価値になる。 

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