コロナ禍の勤務「労災」が下りる人、下りない人

最新の「厚労省Q&A」「行政通達」から読み解く

「労災」は認定されるのでしょうか?(写真:Graphs / PIXTA)

「小売りじゃ在宅勤務なんてありえないし」とこぼすのは、都内のとあるコンビニエンスストア働くMさん(37歳)。営業時間は短くなったものの、高齢のバイト社員が複数名シフトに入れなくなった影響で、以前より、労働時間が増えています。かといって自分が休むわけにはいかず、感染を恐れながら働く日々です。

安倍首相が緊急事態宣言を出して以降、多くの企業が在宅勤務に突入したりしている状況ですが、業種や職種によっては在宅勤務を実施したくても物理的、技術的に難しく、やむをえず出社している人もたくさんいます。

そこで、今回は緊急事態宣言を受け、外出自粛要請が出ている中、労働者が出勤して、万が一新型コロナウイルスに感染してしまった場合に労災の補償が受けられるのか。解説していきたいと思います。

まずは労災の基本を知ろう

(1)労災は「労働者」であれば全員対象

労働者が業務上や通勤途中に病気やケガを負ってしまった場合は、労働者災害補償保険(労災)の対象となります。この労災は、フリーランス(個人事業主)は対象となりませんが、労働者であれば正社員、パート、アルバイト、派遣労働者など名称に関係なく適用されます。

つまり、社会保険のように労働者の中で、加入している人と加入していない人がいるわけではなく、会社に雇われている労働者であれば、たとえ1日だけのアルバイトであっても、その者が通勤途中や勤務中にケガなどをすれば労災が適用されるわけです。

(2)労災が認められるためには

労働者の病気やケガが、労災(業務上災害)として認められるためには、①業務遂行性と②業務起因性が認められる必要があります。

まず①の業務遂行性とは、会社の支配、管理下にあったかどうか。つまり、会社で業務をしている時はもちろん、在宅で業務をしている時なども会社の支配管理下にあるので業務遂行性が認められることになります。

次に②業務起因性とは、病気やケガの原因が業務であること。すなわち、飲食店で調理している最中に手を火傷したような場合は、業務起因性が認められることになります。

一方、仕事中に風邪を発症したり、持病の貧血によりめまいで倒れて入院したケースのように、仕事中にたまたま病気が発症したような場合には業務起因性が認められません。また、ケガのようにはっきり原因がわかればいいのですが、腰痛や近年増加している精神疾患といった病気については、業務と病気との因果関係を特定するのが難しくなるので、ケガと比べて労災として認定されるハードルが高くなります。

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