しかし、である。こう言うと、「やみくもにいろんな仕事をしても、どこにでもいそうな都合の良いジェネラリストになるだけでは?」と思う方もいるだろう。その通り。やみくもに新しいことを何でもやればいいわけではない。
その時、大事になるのは、20代と同様に意志を持って、ロールモデルや、情熱を大切にすることだ。ただの器用貧乏なだけではいけない。情熱を大事に、難度の高い多様な経験を重ねることが職業人生の豊かさを深めていく。
もし、「情熱を燃やす対象が、まだ見えない」なら、どうするか。その場合、まずやるべきことは、新しい人と出会うことだ。恋愛と同じで、情熱を燃やせる対象というのは、部屋にこもっていて生まれるわけではない。情熱を持っている人に具体的に触れることで、「私もこんなことがやってみたい」という想いが湧きあがってくるものだ。
40代は、「決断」で選べ
30代後半~40代以上は、知識も体力も経験も「ピークパフォーマンス」になる時期だ。その時期には、自ら「決断」出来る環境に、身を置くことが大切だ。自分で意思決定し、責任を追える立場にいるほど、人はイキイキしているものだと、数多のエグゼクティブ゙を見てきた森本氏は断言する。意志と実力があるのに、それを発揮する場がないほどストレスなことはない。
もちろん、「今の会社では、上司や組織との兼ね合いで、自分では意思決定できない」、そんなこともあるだろう。
そんなときのベストソリューションは何か。可能であれば、一時的な評価が下がろうが、いったん少し小さい組織に行ってみることだ。ベストは、海外に出るチャンスを狙うことだろう。最近は、会社規模にかかわらず手を挙げ続ければ、比較的若手でも海外に出られるケースは増えている。海外は所帯が小さいため自分が決断しやすい。上司のしがらみも少ない。実際、海外に出ると、日本に帰りたくないと言う人が9割以上だと言うから、面白い。
海外に行かなくても、社内であえて支店など、今より小さい組織に行ってみるのも良い。「最初は冷や飯赴任といわれてもいいので、意思決定できる環境に行った方が結果として輝いている人が多い」と森本氏も語る。
小さい所帯で成果が出せない人は、大所帯にいてもやることはない。そこで決断して成果を出せば、必ずいつかまた別のチャンスも廻ってくるのだ。
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