フェラーリに学ぶ「少量生産メーカー」の生き方 4000人の力で開発から製造までできる理由

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2013年にFCA資金にてマセラティ用6気筒エンジンの組み立てラインが設けられ、ここでは作業のオートメーション化が比較的、進んだ。

しかし、FCAグループからフェラーリが離れたことで、フェラーリとマセラティの関係は薄くなり、フェラーリによるマセラティへのエンジン供給は近い将来、終了されると公式にアナウンスされている。

そうなると、この6気筒エンジンの組み立てラインはどうなるのだろうか。また、フェラーリでもハイブリッド・パワートレインの積極的な導入が予定されており、現在はその対応のため、新たなファシリティも建設中である。

8気筒系と12気筒系、2つのラインで柔軟に

絶え間ない投資によって少量生産に最適化されたファクトリーとなったマラネッロであるが、1台のフェラーリを完成させるためにかかる時間は、いまだ限りなく長い。

どこからの製造をカウントするかによっても異なるが、1台を完成させるには3カ月かかるともいわれる。少し前に組み立てラインのマネージャーを取材したときには、概算で一日に8気筒が24台、12気筒が8台ほどラインオフしているとのことであった。この数値は、現在ではもう少し増えていると思われる。

組み立て棟は、大きく8気筒系と12気筒系のラインによって構成されている。

8気筒エンジン搭載モデルの組み立てライン(写真:フェラーリ)

1階に設けられた8気筒系の組み立てラインでは、「F8トリブート」系、「ポルトフィーノ」などのモデルがフル生産されている。先だって発表された「ローマ」の生産も始まっているようだ。

上の階で「812スーパーファスト」やデリバリーが待ち焦がれている「812GTS」などが並ぶ。8気筒系のラインは、「カリフォルニア」の登場に合わせて、それまでのほぼ倍の規模となっているから、1万台前後というルーティンな製造数量は、フェラーリにとってそう難しいものではないと想定される。

また、生産計画と合わせて、製造ラインも柔軟に対応できるように設計されている。例えば8気筒系のライン、12気筒のラインを部分的に混在させ、需要の多いモデルの生産を増やし、供給が足りているモデルの製造は控えめにというコントロールが可能となっている。

ワーカーたちは、どのモデルの製造も担当できるスキルを身に付けているという。組み立て工程において、COMAU社(FCAグループ)製ロボットを用いて、効率よくボディとドライブトレインを合体させる省力化システムも導入されているが、主体はあくまでも手作業だ。

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