フェラーリだけの「モーターショー」開催の理由

9月に開かれたイタリアのイベントに参加

フェラーリが9月にイタリアで開いたイベント「Universo Ferrari」の会場で(筆者撮影)

東京モーターショー2019では、海外参加メーカーの減少や来場者数の低迷という逆風の中、生き残りを賭けてさまざまな取り組みが行われた。高校生以下を入場無料としたのもその1つであるし、幅広い層にアピールするために今までにない新しい企画が多数導入された。その努力が功を奏し、総来場者数130万0900人(2017年は77万1200人)という成績を達成することができた。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

しかし、黄金期と比較すれば、誠に情けない数字であるし、9月に開催されたフランクフルト・モーターショーにおいても、日本、アメリカ、フランス、イタリアの主要メーカーが参加を取りやめ、前回比で30%という落ち込みだ。

今やモーターショーという存在自体に多くの自己矛盾を内包するようになってしまった。もちろん、自動車需要の喚起のため、クルマにスポットを当てることは重要なことであり、すばらしいことだと思う。しかし、今のモーターショーにスタンドを構えることが、メーカーの売り上げにつながるのだろうか。また、モーターショーへ訪れる来場者は、クルマを買ってくれる顧客となりうるのだろうか。

ニューモデルの発信方法は多彩な時代

誤解を恐れずに言うならば、モーターショーにコストを投入する自動車メーカーの目的は、自社プロダクツの販売促進であり、決してモーターショーの活性化ではない。

各モーターショーは、そこで何台のワールドプレミア(ニューモデルの発表)が行われるかをその“売り”としてアピールする。そう、モーターショーはニューモデルを発表し、広くその魅力を発信するための場であった。しかし、今やニューモデルの発信方法は多彩な時代である。

同時期に露出されるメディアの総枠が限られているとすれば、モーターショーというたくさんのモデルが1度に発表される場で情報発信することは、マーケティング的に正しいのだろうか。中にはメディア露出を多くするために、あえてモーターショーを避けてニューモデルを発表するメーカーもある。そう考えるとモーターショーに明るい未来はあるのだろうか。

次ページジュネーブモーターショーが今も盛況なワケ
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • ボクらは「貧困強制社会」を生きている
  • 地方創生のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
変わる日立<br>IoTで世界へ挑む

日本を代表する巨大総合電機企業が今、「脱製造業」ともいえる動きに舵を切っています。攻めの主役は「ルマーダ」。社長の肝煎りで始まった独自のIoT基盤です。データを軸にGAFAと組むことも辞さないという改革の成否が注目されます。