「今年9月、フェラーリの故郷、イタリア・マラネッロで特別なイベントが開催されます。Universo (イタリア語で“宇宙”の意)Ferrari は、フェラーリの世界に特化した史上初のエキシビションで、一般公開日も予定されています。
フェラーリは、世界中のクライアントの方々に、最新モデルをプライベート・ビューイングで観ていただくエクスクルーシブな機会をご用意しました。また、Universo Ferrari では、初めてブランドのファンとティフォッシの方々にもこの機会を広く提供します」
そして9月9日。そう、まさにフランクフルト・モーターショーの報道機関向けプレスディの前日に、そのUniverso Ferrari会場にてプレスカンファレンスを行うという連絡が入ったのだ。
世界中の自動車ジャーナリストもフェラーリから招待があれば、行かないわけにいかないし、その場所がフェラーリ本社隣接のフィオラノ・サーキットにあるUniverso Ferrariなる前述の期間限定会場で行われるならば、是が非でも行ってみたいと思わざるをえない。
ちなみに、フランクフルトモーターショーへの配慮からか、参加したジャーナリストはフランクフルトモーターショーのプレスディに間に合うよう、チャーター便が用意された。用意周到である。
世界観を伝えるためのイベント
さて、そのUniverso Ferrariなる会場へ行ってみるなら、仮設ながらも堂々とした規模の展示ファシリティであった。フェラーリF1のヒストリーからクラシックモデル、限定モデルの展示がいくつかのプレゼンテーションルームに振り分けられ、各種オーナー向けサービスも紹介される。“フェラーリのオーナーとなったらこんなに楽しいのだよ”と、念入りなアピールだ。
最後の部屋を抜け、暗幕が開くと、そこにはまさにモーターショーさながらの、いやモーターショーのスタンドよりもスケールが大きく、ゆったりしたスペースが用意され、最新の「SF90ストラダーレ」をはじめとする現行ラインナップ全モデルが並んでいるではないか。
なるほど、フェラーリは自らの“ワンオフ”モーターショーをやりたかったのだな、とその意図を明確に理解できた。つまり、メディア向けのカンファレンスのみならず、重要顧客から一般顧客までを、もれなくフェラーリだけのモーターショーに1カ月間をかけて招待するのだ。一般の入場も、予約により時間差を設けて、決して混雑してぎゅうぎゅう詰めにはならない。ラグジュアリーブランドとしての配慮は完璧だ。
この企画は、フェラーリ・ジャパン元代表のリノ・デパオリ氏がプロデュースしたという。
「既存のモータ-ショーにフェラーリが出展をしない、ということでは決してありません。今回は、一般のユーザーの方を対象としたフェラーリの世界観を理解していただくこのイベントとフランクフルトモーターショーのタイミングがちょうど重なったので、ショーへの参加を取りやめたのです。それにお見せするものもたくさんあるので、スペースも必要ですから」と彼は語る。
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