自己肯定感が低い人に教えたい「手書き」の効能 ネガティブな感情を払拭するのにも役立つ

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「書く」ことで自己肯定感を確実に高めることができます(写真:utah_51/PIXTA)
その時々によって上下する特徴のある「自己肯定感」は、一度下がると低空飛行を続ける厄介なもの。心理カウンセラーの中島輝氏は、それを高めるために有効なのは「書く」ことだと指摘します。今回は、『書くだけで人生が変わる自己肯定感ノート』の著者でもある中島輝氏が書くことの効能について解説します。

前回は、自己肯定感を形成する「6つの感」について説明しました。今回は、効果的に自己肯定感を高める方法について紹介したいと思います。

自己肯定感を高める最も簡単で確実な方法。それは「書く」ことです。私たちは何世紀にもわたって「書く」という行為を行ってきました。ところがいまや、書くことはどんどん少なくなっています。パソコンなどでタイプするほうが速く書けるので、効率がいいという考えもわかります。そんな時代だからこそ、手で書くことの意義は大きくなっています。

「手書き」は脳を刺激する

①「書く」ことがもたらす3つの効果
②「書く」ことで目標達成率33%アップ

いまの気持ちや抱えている悩みなど、さまざまな心の動きを手で書き記すことに大きな効能があることは、脳科学、心理学、行動経済学など、いくつもの分野での研究で明らかになっています。カリフォルニア・ドミニカン大学の心理学者マシュー教授によると、単に目標を設定するだけの人と比べ、目標を紙に書き、誰かに伝え、説明をし続けた人の達成の可能性は、33%も高いことが実証されています。

手書きすることは、同時に何カ所もの脳の部位を刺激し、「これは重要な情報だ」という認識をさせます。さらには、書かれた言葉を目にして自己認知することで、モチベーションに関わる脳の回路が働き出し、脳が本気モードへと変わります。それによって、自己肯定感が高まるのです。具体的には、書くことが自己肯定感へ与える効果は3つあります。

1. アウトプット効果:自己表出

モヤモヤとした感情やネガティブな思いなどを書き出すことで、考えが整理され、自分のいまの状態を知ることができます。書いてアウトプットすることが自己表出となり、ネガティブだった気持ちを立て直すきっかけや、ポジティブな取り組みに踏み出す勇気を与えてくれます。

2. 見える化効果:可視化

ノートに書き出した言葉、文章は内面から出てきたものですが、記された時点で距離が生じます。つまり、いいことも悪いことも客観視して受け止めることができるのです。本当は嫌いなこと、本当はやりたいことなど、自分の進みたい方向もわかってきます。

3. インプット効果:記憶化

手を動かし、書き記すあいだ、脳は活発に動いています。書かれた内容を目で見て確認することで、記憶に深く定着します。その結果、書く行為は脳や潜在意識に強く働きかけ、その後の行動や考え方を変えるきっかけとなるのです。

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