自己肯定感が低い人に教えたい「手書き」の効能

ネガティブな感情を払拭するのにも役立つ

自己肯定感には、「時と場合によって、高くもなり、低くもなる」「強い人と弱い人がいる」という2つの法則がありますが、これら3つの効果によって、いまの自己肯定感の状態を「見える化」することが可能になります。

結果、低いとわかった場合は自己肯定感を高めてくれるきっかけとなるのですが、その前提として強調しておきたいのは、私たちの感情はマイナスの状態から一気にプラスへと転じることはないということです。「あ、そっか」「だから、しんどいのか」といったように一度、フラットな状態になってからプラスへと転じていきます。

書くことで自分に向き合う時間を得た結果、フラットな「自分のいま」に気づくことができます。そして、書かれた文章を目にすることで潜在意識に働きかけ、それが行動を変えるスイッチや自己肯定感を浮揚させるスイッチになるのです。

書くことの効用はほかにもあります。多くの研究が、考えを文章にすること、ノートに書き進めることで、直感やひらめきをつかさどる右脳と論理的思考をつかさどる左脳がバランスよく使われると指摘しています。左脳と右脳が均等に使われ、脳のバランスを整えることで、思考や感情のバランスも整います。書くことによる3つの効果には、脳のバランスを整える効果もあるのです。

これまで書く習慣がまったくなく、「何を書いていいかわからない」という人は、手帳などに明日以降の予定を文字で書くことから始めてみてください。それだけでも「あれ? 漢字が思い出せない」「この日の予定をスムーズにこなすには、用意しておくべき資料があるな」などと発見があり、手で書くことが与える脳への刺激を実感できるはずです。

書くことがマイナス思考をやわらげる

書くことには、ネガティブな感情をやわらげる効果もあります。それを実感できるテクニックを最後にご紹介しましょう。「エモーショナル・スケーリング」といって、抱えてしまった負の感情をモノサシで測って数値化し、客観視することでネガティブな感情をやわらげていくテクニックです。頭の中で数値を付けるだけでも効果は得られますが、ノートにまとめることでより高い不安対策となります。

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まず、「自分がこれまでの人生で経験した最高の不安や恐れ」を思い出し、ノートに書きましょう。それが10点満点中10点のネガティブ度となり、モノサシの基準となります。次に「いま自分が感じている不安や恐れ」を書き出し、その横に10点満点中の何点かを記します。

人が不安や恐れを感じているとき、脳内では扁桃体と呼ばれる部位が過剰に活性化しています。脳科学の研究によると、不安や恐れの感情を数値化、客観視することで、その扁桃体の過剰な働きが収まっていくのです。もし8点、9点を付けるような強い不安や恐れを抱いてしまったら、1点でもいいので下げる方法を考えてみましょう。

不安や恐れの原因が対人関係にあるなら、対象となっている人から物理的に離れることが効果的です。例えば近くの公園を散歩するだけで、脳内にはセロトニンが分泌され、心が落ち着くはずです。心が落ち着いたら、もう一度ノートに向かってみましょう。不安や恐れが3〜4点くらいまで下がっているはずです。

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