英国の働くママが始めた運動が感動を呼ぶ理由 SNSであっという間に拡散、全土に広がった
一時はトイレットペーパーや缶詰などの買い占めが起こり、地域によっては客同士のケンカなど醜い場面も見られました。
しかし、それよりも目立っているのは、ふだん大げさなジェスチャーや大勢で一緒に同じことをするのを嫌うイギリス人たちの善意と団結ぶりです。
例えば、つえをついたお年寄りや勤務明けの看護師さん、救急隊員などがスーパーに来て長い列のいちばん後ろに並ぶと「ほら、先頭に行って!」「ごくろうさま!」と、並んでいる人が次々に順番を譲ります。
店内でひとつだけ残っていた品を手にした人が、がっかり顔の老婦人を見て「どうぞ」と差し出したり。
そんな場面を見た大手スーパー各店はすぐに、開店から最初の1時間を高齢者と医療関係者だけが買い物できる時間に設定しました。
ワーママが始めた「希望と感謝の虹」運動
そんな中、地方の街に住むあるワーママが子どもと一緒に描いた虹の絵を窓に貼り、「希望を持とう、医療現場で働く人たちに感謝しよう」とSNSで呼びかけるとあっと言う間に拡散し、イギリス全国の窓に虹の絵が掲げられるようになりました。
また、毎週水曜日の午後8時には家の窓から人々が一斉に顔を出し、拍手したり鍋を叩いて「サンキューNHS!(=ナショナル・ヘルス・サービス:英国の医療制度の名称)」という歓声をあげたりする運動も広まっています。
これは医療関係者だけでなく、感染のリスクを背負って働いてくれている人たちみんなへの感謝の拍手です。加えて、政府がヘルスケア仕事を手伝う一般人ボランティアを25万人募集したところ「役に立ちたい」と申し出た人はなんと75万人にのぼりました。
ロックダウンはまだまだ続きそうで、経済的な不安も大きくなるばかり。でも今のところイギリスでは、みんなで一緒にこの難局を乗り切ろう! というポジティブなムードのほうが強いと感じています。
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