ガソリンや軽油を燃料として燃焼し動力を得る内燃機関(Internal Combustion Engine/ICE)を搭載した車両で高出力化を図るとなると、過去の例がそうであるように過給器の追加やエンジン排気量拡大などによって性能は向上するが、車両価格は高まり、同時に燃費数値も悪化する傾向にあった。
その点、BEVの場合は主として二次電池を大容量化しパワーコントロールユニットの制御プログラムの変更などで、リーフe+が示したとおり同型の駆動モーターであっても(膨大な検証項目をクリアする前提で)バリエーション違いが生み出せる。
もっともBEVとて高価になる。同一グレードで比較すれば若干の上級装備が装着されるもののリーフe+はリーフより59万1800円高い。その点ではハイパワー化=高価となる傾向はICE車両と同じだ。
BEVの潜在的なスポーツ性能
しかしながらこの先、リチウムイオンバッテリーのさらなる性能向上や全固体電池の実用化など、二次電池の進化に期待がもてる。また、ICE車両の燃料消費率に代わる、リーフe+の交流電力量消費率はリーフよりも3.8%悪化するものの62kWh 化によって航続距離は現時点でも42%以上伸びている(WLTCモードでの比較)。
②エンターテインメントの分野ではどうか。日産は、プロトタイプながらBEVの潜在的なスポーツ性能に早くから着目。2011年4月、初代リーフのパワーユニット流用したレーシングカー「NISSAN LEAF NISMO RC/RC_01」を公開した。
同年9月にはメディアを対象とした試乗の場が設けられ、筆者も試乗を行っている。そして2018年11月には2代目、つまり現行型リーフをベースにしたレーシングカー「NISSAN LEAF NISMO RC/RC_02」を発表。試乗の様子は、2019年7月3日に東洋経済オンラインで配信した『日産「リーフ」のレーシングカーは何が違うのか』を参照されたい。
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