日産が担う最新「4輪制御技術」は何が違うのか

「e-4ORCE搭載車」に実際に乗って感じたこと

振り返れば2011年当時、モータースポーツの世界にはハイブリッド化の波は確実にきていたものの、BEVが直接絡む場面は少なかった。

ジャガーのBEVである「I-PACE」をベースにしたワンメイクレース「Jaguar I-PACE eTROPHY」が2018年から開催されている(写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン)

しかし、2014年からはFIAでもフォーミュラE選手権(電動駆動フォーミュラマシンによるレース)がスタートし、2018年からはジャガーのBEVである「I-PACE」をベースにしたワンメイクレース「Jaguar I-PACE eTROPHY」が開催され、いずれも活況だ。BEVはモータースポーツとの親和性も高く、そして人々の心を惹きつける。

e-4ORCE搭載車に試乗した

さらに日産は、前述した①と②の世界を将来的につなぎ合わせる新しい技術開発にも積極的。日産はこれまでA/「電動化技術」、B/「4WD制御技術」、C/「シャシー制御技術」をそれぞれ独立して開発してきたが、電動化を核にそれらを統合、つまり3つの要素を組み合わせた電動駆動による4輪制御技術を市販車へ搭載しようと試みている。

日産はこのA~Cの3分野を統合した4輪制御技術を「e-4ORCE(e-フォース)」と命名。ちなみに、このe-4ORCE は2019年の東京モーターショーに出展した「ニッサン アリア コンセプト」にも搭載されていた。

今回筆者は、e-4ORCE搭載車(実験車両)に試乗することができた。e-4ORCE搭載車は、前輪駆動であるリーフで誰もが実感できるBEVならではの滑らかな走りはそのままに、前/後輪に駆動モーターを配置して快適性とハンドリング性能を向上させながら、滑りやすい路面でも安定した走行性能を発揮させることを狙う。

試乗カリキュラムは、ア/加減速テスト、イ/ワインディング路テスト、ウ/定常円旋回テストの3点。e-4ORCE搭載車はリーフe+をベースに後輪にも前輪と同じ駆動モーター搭載して4輪駆動化。総合出力(システム出力)は約308PS/680Nm。以下、それぞれのテストごとにレポートしたい。

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