第2回 増え続けるサービス業の労働災害 ここが変わった! 新しい労働災害防止計画

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

労災発生で会社の信用が低下すると

労働災害の防止は、働く従業員のためだけではありません。特に、新しい「労働災害防止計画」で重点業種となった「小売業」「社会福祉施設」「飲食店」などは、提供するサービスや商品に対して対価を得ることになります。

 そこでの基本は、会社や働く従業員に対する信用といった部分に大きく左右されるのではないでしょうか。信用を得ることは非常に時間がかかるものですが、失うことは一瞬です。労働災害が発生することによって、会社の信用が低下すれば、売上の減少や人材の確保が困難になるなどの経営上の損失に直接影響してくる可能性があります。

 つまり、会社が労働災害を防止する活動に積極的に取り組むことは、従業員の安全を守ることに加えて、従業員やお客様の信用を得ることにもつながり、会社にも大きなメリットがあるものといえます。

先に述べたとおり、国としては、特に重点業種に指定した3つの業種の労働災害を減少させるという方向性を打ち出しています。これらの業種に国は注目しています。それだけに労働災害が発生した場合の指導等といった点では厳しい見方をされることもあり得ます。行政からの指導というのも会社の信用を大きく損なわせる可能性を含んでいます。

普段はあまり意識することがないかもしれませんが、国の方針や計画などを知ることは、会社の経営などを考えていくうえでも非常に重要なことなのです。小売業や飲食業の店舗のリーダーを対象にした、拙著店長のための早わかり労働安全衛生法も併せて御一読ください。

中山 寛之 特定社会保険労務士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかやま ひろゆき / Nakayama Hiroyuki

特定社会保険労務士、第一種衛生管理者。 東京大学「職場のメンタルヘルス専門家養成プログラム」基礎コース修了。 メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種取得。 中山社会保険労務士事務所所長。 株式会社ヴェルデキューブ 代表取締役 諸規程の作成、改定や労務相談、メンタルヘルス問題に関する講師などを中心に活動中。 著書に『現場監督のための早わかり労働安全衛生法』『店長のための早わかり労働安全衛生法』(共著、東洋経済新報社)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事