地方の医師が訴える医療現場の切迫した危機 物資不足やオンライン診療など課題は多い
今、新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れる医療現場が崩壊の危機にある。医療従事者への感染や、患者の受け入れが断られるケースも発生している。
そうしたなかで、医療従事者たちはどのような思いで働いているのか。千葉県勝浦市の塩田病院に勤務する青木信也医師に、医療現場の実情と医師としての訴えを聞いた。
なぜ私たち一人ひとりが「Stay Home」を心がけるべきなのか。個々人の行動が医療体制にどのような影響を及ぼし、医療崩壊が起きたらどのような問題が発生するのか――。
情報発信するなと言われても、伝えたい
――先ほど24時間の宿直明けと聞いて、平常時から本当に大変な労働環境なんだと痛感しています……。
そうですね。そもそも平常時から24時間の宿直体制が常態化しているのは問題だと思っています。そうした平常時の医療体制の歪みが新型コロナウイルスの感染拡大によって顕著になっていると感じています。
――青木先生は動画での発信もされていますが、どのような思いで発信をはじめたのでしょうか。
僕たち医療従事者の認識とそれ以外の国民の認識とにギャップを感じていて、これはおかしいぞと思ったんです。
僕は、2月中旬ごろからハワイで救急医療をやっている同期とやり取りをするなかで、コロナウイルスの実情を聞いていて、僕がいる千葉県内の田舎の病院であっても医療体制の整備が必要だと考えていました。
しかし、テレビではダイヤモンド・プリンセス号の話ばかりで、今後の対策に向けた話が進まないことに危機感を抱いていました。そうした危機感から高校時代の友人と一緒に、医療現場の人のメッセージを動画で発信しはじめたんです。