古賀伸明・連合会長--非正規の組織化に本腰を入れる、連合が地域経済立て直しの核に


--連合は大企業の正社員クラブといった批判もありますが。

そこから脱却しないと駄目だと思います。組織内にも労働組合というのは組合費を払った人の利益に沿った運動を展開すべきと主張する人もいます。ですが、組織された18・1%の利益や幸せだけを追求することは、社会的にはエゴととらえられ、孤立する可能性も少なくありません。やはり、すべての働く者の幸せ、利益を追求していく。そのことによって国民的共感を呼べる運動が展開できるのではないかと考えます。

連合はパートタイム労働法の制定に尽力しましたが、その当時はパートタイマーの組合員はほとんどいませんでした。それでも労働側の代表として法整備を進めました。今では60万人のパートタイマーが労組に加入しています。正社員と一緒の組合に加入する形、もしくは別の組織とする形もありえますが、十分に連携しながら運動を進める必要があります。労組がある企業には組織化の徹底を要請しています。次は派遣や請負といった間接雇用で働く人たちを、どう組織化するかが課題です。

非正規雇用対策はわれわれのための運動

--登録型派遣や製造業向け派遣を原則禁止する労働者派遣法の改正をめぐり、目下、労働政策審議会での議論が進んでいます。

連合は2007年の段階で、一般業務の登録型派遣は原則禁止すべきという主張を固めています。一般業務への派遣については常用型で行うべきと考えて、今もそうした方針にのっとって、審議会に臨んでいます。審議会の議論を待つのがじれったいという意見もありますが、公労使の三者で議論する労政審の役割は政権が変わっても尊重すべきと思っています。ここは少し慎重な対応をしておかないと、政権の考え方によって労働現場の規範がころころ変わるようなことになったら、大変なことになります。

--次の春闘では職場の派遣社員の実態把握、賃金などの処遇改善を交渉・協議のテーブルに上げ、初めて正面から取り上げますね。

雇用関係のない派遣・請負労働者に関する交渉を、企業とどこまでできるかはわかりませんよ。ですが組合員ではない、社員ではないからといって放置しておくことはもはや許されない。彼ら彼女らがどういう状況なのか、たとえば賃金はどうなのか、社会保険はどうなのかをチェックする。働く仲間として、何か少しでも労働条件の向上につなげることができないかと考えています。

組織内でも数年前までは「非正規の人たちは気の毒だから手を差し伸べるべき」という視点でした。しかし今、彼らの労働条件を放置しておくことは、結局私たちの問題でもあると強調しています。労働条件の下げ圧力として直結するし、また不安定な立場の人が増えれば増えるほど、日本の社会全体が不安定になっていきます。働く現場だけにとどまらず、年金、医療、介護すべてにかかわってきます。われわれのための運動なのだということを地域に根差して訴えていきます。

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