コロナ騒動で葬儀会社が恐れる「3つの大問題」 「企業倒産」「自殺者増加」などリスクは大きい

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現役葬儀社社員が語るコロナによって今後起こりうる「3つの問題」とは?(写真:karinsasaki/iStock)

「コロナウイルスで葬儀の件数が増えて、葬儀屋さんは忙しいんじゃないの?」

先日、知人から聞かれたことですが、決してそんなことはありません。現在コロナウイルスの国内死亡者は200人近く。(4月17日時点)。むしろ2009年に新型インフルエンザが流行したときのほうが、葬儀業界内に危機感がありました。

当時はパンデミック(感染爆発)を想定して、スタッフの勤務体系を見直すシミュレーションモデルをいくつか作成しましたが、今回はそこまでに至っていません。しかし中長期的には、葬儀業界にもコロナウイルスの影響は及んでくるでしょう。

前回記事「『コロナ下の葬式』で遺族が苦労する5つの問題」は、「コロナウイルス下に葬儀を行う人のためのアドバイス」がテーマでした。今回は現場視点で、今後、葬儀業界で起こりうることについて解説していきます。

今「葬儀業界」で起こっていること

まず、最近の葬儀の現場で起こっていることを、報道された例も含めていくつかあげてみましょう。

現在、「社葬などの大規模葬は延期もしくは中止」「感染の可能性がある通夜料理を廃止」「一部では通夜も廃止し、葬儀だけの一日葬を行う」といったことが起きています。

新しい事例としては、先日私が担当する葬儀で、参列できない遺族のためにスマートフォンと三脚を使って、動画中継を行いました。「最後に故人の死に顔を見られて良かった」とスマホの画面に映る遺族は涙ぐんでいました。

これまでにも動画中継サービスを、IT企業がプラットフォームを作って葬儀社に売り込んでいましたが、まったく定着しませんでした。というのも、「みんなで場所と時間を共有する」のが葬儀の機能だという考え方が主流で、動画中継に対してなじめない人が多かったためです。

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