先日、相模原にある売上数億円規模の葬儀社の倒産が、複数のメディアで報道されました。普段はこの規模の葬儀社の倒産が報道されることはありませんので、コロナウイルスの影響という文脈で語ろうとしたのかもしれません。ですが業界内では、コロナウイルス以前から行き詰まりを指摘されていました。
こうしてみると今後生き残るのは、お寺と提携して檀家の葬儀を取り仕切る家族経営の小さな葬儀社か、以前から生産性の向上に取り組んできた大手葬儀社でしょう。売上数億円規模で伸び悩んでいた葬儀社が、一番危機的な状況に陥るのではないでしょうか。
最大の懸念は「自殺者の増加」
私が一番懸念しているのは自殺者の増加です。以前「自殺した家族の葬儀」で直面する2つの苦労」という記事でも解説したように、葬儀社にとっても自殺者の葬儀というのはつらく、精神的な負担もかなり大きいものです。
企業倒産が1万9171件という戦後2番目の高水準に達した1998年には3万人以上の方々が自殺によって亡くなりました。自殺者数は失業率に比例します。
男性にとって失業は、パートナーとの死別に匹敵するストレスを与えるためでしょう。景気回復に伴い現在、自殺者は年間2万人程度まで減っていたのですが、コロナウイルスによる企業倒産によって、また増えることを懸念しています。
こうした事態を防ぐためにも、国の救済措置が早急かつ効果的に行われることを願わずにはいられません。
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