「コロナ下の葬式」で遺族が苦労する5つの問題 葬儀社も「依頼を断らざるをえない」緊急事態
もしも自分の家族や大切な人がコロナウイルスに倒れたら……。あまり考えたくないことですが、決してありえない話ではありません。
今回のような緊急状況下で、家族や大切な人の葬儀を行う際、どんな問題に直面するのか。葬儀社に勤務する立場から、国や火葬場の通達に基づいて解説します。
また記事後半では、コロナウイルスで亡くなった場合でなくても、この時期に葬儀に主催したり、参加したりする際の注意事項も併せて解説します。
遺族はどんな問題に直面するのか?
平時に病院で家族が亡くなった場合、葬儀社が迎えに来るまで、遺体は病室か霊安室に安置されることが多いです。
しかしコロナウイルスで亡くなった場合、感染を防ぐため遺体は非透過性納体袋にすぐ収められます。非透過性納体袋とは、遺体を収めるための巨大サイズのジップロックのようなもので、それで密封された後、棺に納められるわけです。つまり、たとえ肉親であっても、故人に触れることはおろか死に顔を見ることさえできません。
感染リスクを考えると、通常の葬儀を行うのは困難です。宗教儀式は後日行うにしても、まずは火葬するということになります。
通常は亡くなってから24時間以内の火葬は認められていません。その理由は、今と比べて死亡判定の精度が低かった時代に、故人の蘇生の可能性を考慮したからだと言われています。
しかし特定の伝染病の場合は、感染防止目的で24時間以内の火葬が認められています。ペストやエボラ出血熱などがその対象で、現在はコロナウイルスも同じ扱いとなっているため、亡くなったその日に火葬ということもありえます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら