美容室「営業継続」でも全く視界が晴れない事情

休業しても補償なし、広告費など出費かさむ

その一方で苦しい状況を打開するためにも、ヨーローでは4月頭から前売り券の販売もスタートした。最近ではBASEなどのオンラインショップアプリ上で前売り券を販売する美容室が増加。池元氏も「ここで迷っている暇はない」とすぐに動き出したという。

顧客には休業のお知らせとともに前売り券の存在を知らせ、現在では10万円ほどの売り上げとなっている。「1人で2〜3枚買ってくださる人や、『頑張ってください』とコメントをくださる人もいる。お客様から応援していただけた」と話す。今後はメニューなどを変えながらも前売り券の販売も継続するという。

家賃を支援するシェアサロンも登場

全国には約36万店もの理髪店や美容室があり(厚生労働省『平成30年度衛生行政報告例の概況』)、コンビニの約5万5600店(2019年末、日本フランチャイズチェーン協会調べ)より断然多い。最近では店に属さないフリーランス美容師も増えている。

東京、外苑前にあるシェアサロン「クノア(Qnoir)」は2019年10月のオープン以降右肩上がりで成長してきたが、今年3月から客足に影響が出始めた。クノア取締役の角田千佳氏は「2月は売り上げが大幅に伸びたが、今の稼働率は5割減だ」と語る。

「クノア」はフリーランス向けの場所貸しサロンで、ヘアやネイル、フィットネスなどのプロが集う複合美容所だ。現在50人ほどの美容師らがおり、月2件の予約まで取れる無料会員と月額有料の会員がいる。どちらも専用のアプリから予約を取ることができ、場所を使うたびに月額費とは別で低額のスペース料を支払う仕組みだ。

利用者の負担を減らすため、4月限定の特別措置として、有料会員から無料プランへのダウングレードも受け付けたという。うち13人が無料プランへ移行したものの、ヘアの施術を行う美容師は2人だけだった。「有料会員となったまま休業に近い形を取られる人もいる」と角田氏は言い、実際取材当日(11日)は予約を受けていた美容師は1人のみだった。

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