コロナに潰されない人が突き詰める4つの論点 「緊急時でも成長する人」はどこが違うのか?

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第2に、(1点目と関連して)自分自身の価値について考えたいところです。どんな会社にも、事業を続ける上で必要火急な業務があります。しかし、それをあなたが担当するかどうかは別問題です。

ホテルの営業にはフロント・接客・清掃などの業務があり、担当する従業員が必要です。たとえば、あるホテルにフロント係が2人いて、経営者は新型コロナウイルスの影響で宿泊客が減少したことを受け、1人でも営業できると判断しました。1人の首を切り、1名を残します。

経営者は首にする従業員と残す従業員をどう決めるでしょうか。経営者のお気に入りかどうかといった事情を抜きにすると、基本はその従業員が提供する仕事の価値と賃金水準でしょう。残すのは、「客の細かいニーズに対応できる」「クレーム処理がうまい」といった価値のある従業員か、賃金が低い従業員のどちらかです。

つまり、働く人は、他の人よりも優れた価値を持つか、低賃金で働くか、どちらかの選択を迫られるのです。

好景気・人手不足のときには、価値がない人でも賃金が高い人でもさほど問題なく働くことができます。しかし、こういう事態になると、仕事の価値が問題になります。

<第2の論点>
□自分が仕事に従事できている理由は何か
□自分が提供している価値は何か
□価値向上に向けてどう学習・研さんするべきか

モチベーションについて見直す時期

第3の論点は、働くモチベーションです。

人間は感情の動物であり、モチベーションが高いときには信じられない力を発揮します。モチベーションが低いとどんな能力が高い人でも成果を実現できません。そして、モチベーションは「環境」「仕事」「評価」「報酬」などの条件によって決まります。

今回の危機を受けて企業はさまざまな対策を進めており、「評価」以外の「環境」「仕事」「報酬」にすでに大きな影響が出ています。

「環境」では、テレワーク・在宅勤務によって、メンバーが集まって常時コミュニケーションを取るという職場環境ではなくなりました。人間関係は希薄になっています。

「仕事」では、先ほどのとおり不要不急の仕事を選別するよう求められています。取引の維持、顧客からのクレーム対応といった後ろ向きの業務が増えています。

「報酬」は、賃下げが加速し、日本企業の強みだった賃金の安定性が脅かされようとしています。

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