人気のブックイベントには共通項があった! 「ビブリオバトル」と「ブクブク交換」の発案者が対談
--ビブリオバトルは2007年、谷口さんが京都大学大学院に在職中に始められたんですよね。
谷口 僕はもともと、自分でゲームを作って周囲の人にやってもらうのが好きなタイプ。勉強会のために本を選ぶ活動に名前をつける必要はなかったのに、ビブリオバトルという名前をつけた。同世代の社会人からみたら「こいつ中二病やなあ」という感じかもしれません。しばらく身内でやっていましたが、面白いと思うのは僕らだけかもしれないという思いもあった。自分で始めたことを人に薦めるのって、恥ずかしいというかおこがましいというか。
でも、やってみるといい側面が多く、世の中に広がることは公益につながると思い、普及委員会を作った。最初のころは、情報系を専攻とするメンバーが多かったこともあり、ツイッター、ユーチューブ、グーグルなどの無料ツールを使って拡散していった。10年春に普及活動を始めてからジワジワ広がっていった感じです。
ツイッターを呼び掛けたら23人集まった
植田 ブクブク交換は2010年2月に始めました。僕はイベントプロデューサーで、場所を活性化させることや、コミュニケーションが生まれる仕組みを考えるのが仕事ということもあり、はやりだしたツイッターを使ってリアルな場を活性化できないかと考えていた。ツイッターは140文字のテキスト文化のツールで、テキストといえば本がある。だったら、ツイッターで本好きの人集まれと声をかけたら、集まるんじゃないかと思いついたんです。
スペインではバラと本を贈り合うサン・ジョルディの日があるけれど、日本では本と本を交換するのがいい、ブックとブックでブクブク交換というネーミングはどうだろうと、風呂に入っている時に思いついた。かみさんに話したら「ブクブクしたいと小学生が言いそうね」と言ってくれて。
谷口 小学生が言いたくなるようなネーミングというのは同じですね。
植田 ツイッターで「あさっての晩、新宿のカフェに本を持ち寄ってください」と呼びかけたら23人集まった。持ってきた本について3分間しゃべってくださいと言ったら、みんな、しゃべるしゃべる。それを見て、「本について語る場所があれば、集まって話すようになるんだな」とわかった。その光景をUstreamで配信したりツイッターしたりしていたら、イタリア・フィレンツェの日本人女性が見てくれて私もやりたいという。そこで「僕はフィレンツェに行けないからどうしましょう」と返したところ、「名前だけ貸してください」と。
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