政府のチグハグな対応にイラっとする人の目線 庶民から見ても「どうして、そうなるの?」

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●1世帯当たり2枚の布製マスクの配布(4月1日)

海外からも「エイプリルフールか」と馬鹿にされ、信じられないほどの不評が噴き出た。天下り先など関係の深い日本郵政への援助という見方すら出ている。

●東京、大阪等に緊急事態宣言発令(4月7日)

イギリスの場合、緊急事態宣言を出して都市封鎖を実施してから、「2週間後」には飲食店などにポンッと約300万円が振り込まれ、従業員の給与も約8割補償されたことが報道された。

日本の場合は4月7日に出された緊急事態宣言とセットで発表される生活支援のスキームも、自己申告や所得制限などと枷(かせ)をはめたうえ、受け取れるのが早くて6月と言われる。国民の生活を優先しているかというと疑問だ。

国民の生命より献金先への恩返しを優先する「永田町」

この緊急事態に、政治家の給料や公務員の給料はそのままなのだろうか。かつて東日本大震災で庶民が苦しんでいたとき、旧民主党政権は国会議員の給与を1人当たり月額50万円削減することで、総額21億円を震災の救援資金に充てた。

国会議員の給与は、月額約129万円、ボーナスも年約635万円もある。大臣や総理大臣はもっともらえる。さらに領収書不要の「文書通信交通滞在費」が月額100万円もらえて、さらに「立法事務費」も月額65万円もらえる。新幹線と飛行機の無料パスも付いている。

加えて、政党には莫大な金額の「政党交付金」が交付される。まだ議論は出ていないが、苦しむ国民のために政治家が身を切るような話が出てくることに期待したい。

上の画像をクリックすると、「コロナショック」が波及する経済・社会・政治の動きを多面的にリポートした記事の一覧にジャンプします

「自粛要請」という言葉はあくまでも要請だから、決断したのは国民1人1人であって、政府の責任にはならない。感染症を防ぐためには本来であれば、「ロックダウン(都市封鎖)」が必要不可欠なのだが、そのためには「補償」とセットでなければ意味がない。生活が懸かっているからだ。

ただ、日本の「緊急事態宣言」は、欧米のような「ロックダウンはできないし、しない」と政治家や官僚は言い続けている。それはそれでいいが感染爆発が止まらなかったら、どうする気なのか。できないのであればできるような準備をしたほうがいいし、危機に対しては先を見て行動するのが政治家の仕事である。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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