ベストセラー脳科学者が強くダンスを推す理由 「ブレイン・ルール」に見る人生を楽しむ秘訣

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脳にとってプラスの交流とは何だろうか。それは、つねに相手の立場になって考え、自分とは異なる見方を理解しようとすることで、一言で言うなら「自己中心的になるな」ということだそうだ。

ポジティブな交流ならば、おしゃべりをする間にも脳の認知力は鍛えられ、そして、関連する脳の部位を成長させるというから驚く。

メディナ博士によれば、家族や友人と話したり、相談にのったり、人付き合いは大量の生化学的エネルギーが必要とされる大仕事で、それが格好の脳トレーニングになるのだという。

まず、社会的な交流が盛んになるほど、前頭葉の灰白質が大きくなる。前頭葉は他者の心の状態や、動機、意図を察知する能力と関係しており、自らの行動の結果を予測したり、反社会的行動を抑制したり、意思決定を助けたりもする領域だ。なるべく太らせたほうがいいらしい。

また、感情の処理に関与する扁桃体も、社会的活動の影響を受ける。社会的ネットワークの人数が3倍になると、扁桃体の大きさは2倍になるというからすごい。

自己中心的な関係では人は離れてゆくが、相手の立場や気持ちを考えながら接する習慣があれば、よい人間関係が築けるし、脳も大きくなって機能が高まるわけだ。

つねに人と交流することは、年金受給などまだずっと先という年齢の人にも当てはまる。何歳の人であれ、そうした交流を続けることで「将来、脳に感謝されるだろう」とメディナ博士は自信たっぷりに述べる。

社交能力がアップした脳は、ますます良質な人間関係を広げる力を持ち、人生を幸福に導いてくれるのである。

友達が少ないと早死にする

社会的に孤立すると、ただ淋しいだけでなく、現実に肉体をむしばんでもゆく。とくに孤独感はストレスホルモンのレベルを高め、免疫機能を弱めるために、感染症やがんを撃退しにくくしてしまう。高血圧にもつながり、心臓病や脳卒中のリスクも高まる。

また、孤独感は、記憶力から知覚速度まで、あらゆる認知能力を損ない、認知症のリスク要因にもなる。それは会話の中身、移動能力、睡眠などに影響し、日々の生活はどんどん不快になってしまう。

そうなるとますます社会的交流が減り、孤独感が増すという悪循環を生む。現実に、孤独な高齢者は社交的な高齢者に比べて、死亡率が45%高いという。

この悪循環に対抗し、老齢に備えるために、メディナ博士が科学的に推奨するのがダンスなのだ。ダンスは調和のとれた動作であり、また、一緒に踊る相手のことを考える時間にもなり、社交性が必要になる。

ある研究では、友人や家族と1日たった15分間体に触れるだけで、認知や感情面にプラスの効果があるそうだが、下心は別として、用もないのに15分も触るのは難しい。この点、ダンスが習慣になればもっと長い時間を楽しく触れ合うことができるだろう。

YouTubeでダンス指導動画を見ながら、家族で手を取ってステップを覚えてみるというのもいいかもしれない。目下の運動不足解消のみならず、脳を鍛え、まだまだ続く100年人生を幸福にする秘訣が、ダンスにはあるのだ。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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