キリン、「物言う株主」を退けても残る重い宿題

イギリス投資会社の株主提案はすべて否決

一方、報酬制度見直しと社外取締役選任の提案は一定の賛成票を集めた。

報酬制度見直しの賛成率は21%。ISSは機関投資家に対し、IFPの提案に賛成を推奨する意見を示していた。約2割という賛成率は、株主と取締役との間での価値観の共有をより求める声があることを示している。

社外取締役選任案の賛成率は、製薬会社のグラクソ・スミスクライン日本法人社長を務めた経験を持つ菊池加奈子氏が20%。金融界出身で現在は半導体検査装置のアドバンテストで社外取締役を務めるニコラス・E・ベネシュ氏は35.6%だった。ベネシュ氏の賛成率には、ISSが賛成を推奨したことも影響したとみられる。

総会後のキリンとIFPの反応

IFPの提案は否決、会社側提案は承認という総会の結果を受けて、キリンHDの磯崎功典社長は「昨年の時点では株主との対話が不十分だった。3月に行った投資家説明会などで(戦略への)理解を深めてもらい、応援をいただいた結果」とコメントした。

対するIFPは、自らの提案により「社外取締役が過半数を占める取締役会と、より株主の利益に沿った役員報酬制度をキリンHD自身が提案するに至った」との声明を公表した。

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