復興の拠点「常磐双葉IC」が開通した深い意味

3月上旬の開通式には安倍首相も出席した

3月上旬、常磐自動車道の常磐双葉ICの開通式で、テープカットする安倍首相(左から4人目)ら(写真:共同通信)

東日本大震災からちょうど丸9年にあたる3月11日の夜、NHKの看板ドキュメンタリー番組といってよい『NHKスペシャル』(以下、Nスペ)で、「‶復興ハイウェー″変貌する被災地」というタイトルのルポルタージュが放送された。Nスペで高速道路が主題として取り上げられるのは極めて珍しい。

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番組では、岩手県の陸前高田インターチェンジ(IC)近くに食と農業のテーマパークの進出が予定されていること、宮城県気仙沼市内のICの開業をにらんで、高速道路を使って水産物を大都市圏に輸送する争いが地元の運送業者と大手資本との間で始まろうとしていること、そして常磐自動車道の常磐双葉ICの開業に合わせて、帰宅困難地域だった双葉町に新たな都市計画が進もうとしていることなどが取り上げられていた。

例年の年度末の新区間開業ラッシュとはちょっと趣を異にした、この3月の東日本大震災関連の高速道路事情をまとめたい。

高速道路開業の目玉が不在だった3月

2018年3月には、新名神高速道路の川西IC~神戸JCT(ジャンクション)、2019年3月には同じく新名神の新四日市JCT~亀山西JCT、またその前の2016年2月には、新東名高速道路の浜松いなさJCT~豊田東JCTと、2017年2月の圏央道境古河IC~つくば中央ICの開通も数えれば、ここのところ毎年2月から3月にかけて、既存の高速道路の渋滞の緩和に大きく寄与するような重要な区間の高速道路の開通が続いていた。

だが、2020年は当初、東京オリンピック・パラリンピックの年(2021年に延期)であったにもかかわらず、そうした大型の高速道路の開業は1~3月の間にはほとんど見当たらなかった。2020年度に予定されていた新東名の未開通部分である御殿場JCT~伊勢原JCTの開業は、2023年度へと先送りになり、3月に伊勢原JCTと伊勢原大山ICの2.4kmが開通したに過ぎず、高速道路ファンとしては少々寂しい感もする年度末になった。

もっともたった2.4kmとはいえ、新東名の新区間の開業は、関東では知られた観光地である大山へのアクセスは大きく向上するとされ、NEXCOのホームページでは人気講談師、神田伯山による特別講談のPR動画が展開されるほどであった。

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