高輪新駅開業、隣の品川駅工事はいつまで続く 線路移設はほぼ完了したが、リニアの工事も

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次は京急側の山手・京浜東北線ホームを見る。山手線は現在、1・2番線ホームの両側に内回りと外回りの電車が発着しているが、ここはこれから改造されてゆく。京浜東北線も、かつては3・4番線の島式ホームを北行と南行が挟んでいたが、まず先に南行を隣ホーム5番線に移し、それによって空いた4番線に今回、北行を移した。

その結果、現在は3番線が使用停止となっている。今後、使用をやめた3番線の線路上にホームを広げ、山手線外回りの乗場をそちら側に切り替え、京浜北行と向き合う形とする。

そうすることで、朝の混雑が著しい川崎・横浜方面から渋谷・新宿方面の乗り換えが同一平面ですむ。跨線橋の混雑が緩和されることで、東海道線上りから山手線への乗り換えにも都合がいい。また、現1・2番線ホームは山手線内回り専用となるので、そちらも実質的に幅が広がり混雑緩和につながるという計画である。その改良工事の完成は、2022年ごろと予定されている。

山手線と京浜南行の5番線にはホームドアが設置済み。北行4番線では設置に向けた準備工事が行われている。混雑の度合がうかがえる順番であろう。一方、北行4番線の発車標はLCDの最新型に取り替えられている。また、この1・2番線と13・14番線の階段下には常盤軒の駅そばがある。常盤軒は3・4番線にもあったのだが、京浜東北線の線路移設工事に伴い閉店した。

電留線廃止で山手線最終の到着が繰り上げ

もう1つ山手線ホームの話題は、1番線の中央付近、内回りの線路際にあるゼロキロポスト。「山手線」と言えば環状路線全体を捉えるのが一般的だが、線路の籍上は東海道線の支線として品川―池袋―田端間であり、田端で東北線に接続して終点となる。その起点の標識なのだ。

そしてその位置のホーム上には「鉄道発祥の地」のレリーフがはめ込まれている。ただ、そこには「Since1885」とある。わが国の鉄道が品川から始まったのは1872年で、1885年は山手線(品川―池袋間と池袋―赤羽間)開業の年。両者がない交ぜなのだ。

京浜東北線の移設で3番線が空けられ工事中(撮影:久保田 敦)

山手線ホームと京急高架駅の間も工事途上の更地の態。以前は山手線用の電留線が並んでいた場所だが、昨年3月に使用を停止し、線路は撤去された。それは今後の改良工事に向けたものである。この電留線廃止と同時期に、埼京線板橋駅に新たな留置線が開設されている。

それに伴い、昨年3月改正で品川入庫だった山手線内回り最終電車が大崎止まりとなり、品川行き最終が27分早まった(1時19分着→0時52分着)ことは、都会生活の中では1つのエピソードだった。

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