高輪新駅開業、隣の品川駅工事はいつまで続く 線路移設はほぼ完了したが、リニアの工事も

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これは品川発の下り常磐線列車は、上野駅出発の際に宇都宮・高崎線の上りと平面交差となるからで、やはり続々と上ってくる宇都宮・高崎線列車の進路を塞がないために常磐線下りは運転しないのだ。6時台から始まる特急もビジネス需要が濃いだけに品川発着は有用だが、朝ラッシュピーク帯と夕方も一部が上野始発とされている。

では品川終着となる列車は……と見ていれば、次々に電留線に取り込まれる。7時台から10時台までに約15本。宇都宮・高崎線の品川止まりも少数だが含まれる。

ちなみに、上野東京ラインが「東北縦貫線」の名で計画段階だったころ、同線の列車は宇都宮線と高崎線を主体に考えられていた。だが、つくばエクスプレスにより取手経由の利用に大きな影響が出たため、常磐線の上野東京ライン直通枠を大幅に増やした経緯がある。上野発着の列車を都心に引き込む効果の大きさを証明するものだ。

成田エクスプレスも発着する横須賀線ホーム

車両基地を抱いて八の字に開く線形のため、この常磐線発着の9・10番線ホームは田町方が幅広い。そのスペースを活かして、車輪を利用したモニュメントの「安全祈念碑」が設置されている。

2002年10月に品川駅開業130年記念として建てられたもので、以前は東海道線上り5・6番線ホームにあったが、駅改良に伴い移設された。ともあれ、常磐線乗り入れは品川駅の様子を大きく変えた。他線よりも空いているが、それだけに特急にも通勤電車にもスーツケースを携えた航空旅客が目に付く。

横須賀線は、海側、東海道新幹線品川駅との間に位置する13~15番線。かつては島式ホーム1面を上下線としていたが、2008年3月に片面使用の新ホーム15番線が追加された。

総武快速線と直通運転しているうえ、2001年に開設された湘南新宿ラインは2004年に大増発が行われたが、いずれも長距離のため異常時に直通を中止することがある。その際の折り返し運転(湘南新宿ラインは経路を変更して品川止まりとする場合がある)に対する許容量を増やすためであった。以後、13番線が上り、15番線が下りとされ、平時の14番線はラッシュ時の折り返し総武線快速と、朝の湘南ライナーの折り返し回送が入る程度にとどまる。

成田エクスプレスの発着も横須賀線ホーム。大船発着と新宿・池袋発着を東京駅(地下)で分割併合する列車の場合は大船系統のみが停車する。新宿・池袋発着で単独運転の場合は、同列車が停車する。

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