高輪新駅開業、隣の品川駅工事はいつまで続く 線路移設はほぼ完了したが、リニアの工事も

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かつて臨時ホームだった9・10番線は常磐線列車の折り返し用に変貌した(撮影:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2020年5月号「品川駅を歩く」を再構成した記事を掲載します。

品川駅は今まさに変化のただ中にある。上野東京ラインが開業した後もJR東日本は駅改良を続け、JR東海はリニア中央新幹線駅の工事に入り、京急は高架駅を地上に下ろして拡張を計画。さらに東京都や国が駅周辺の整備計画を打ち出している。高輪ゲートウェイ駅開業で強まる国際拠点化の潮流の中にある品川駅の構内を見て歩いた。

JR東日本の品川駅は東海道線、横須賀線、京浜東北線、山手線が集まり、横須賀線の東京方は地下に入って総武快速線に直通、東海道線上りは2015年3月から宇都宮・高崎線と直通する大変革により「上野東京ライン」と称され、東京方からは常磐線も乗り入れてくる。

7回の線路移設工事を実施

既設の車両基地の作り替えと、再開発地に新駅「高輪ゲートウェイ」を開設するため大規模な線路移設工事が必要となり、2011年10月から2019年11月まで計7回の切り換えが繰り返されてきた。

そのⅠ期にあたる第1~5回の工事では、東海道線に係る部分を変更。2014年12月の第4回切り換えまでで臨時ホームを含む島式4面8線部分を変更し、新車両基地(新基地使用開始前は東京総合車両センター田町センターという組織だったが、現在は品川駅構内の電留線となった)の出入り、および新たに乗り入れる常磐線を中心とした東京方面の列車の折り返しを可能にした。

2016年11月の第5回切り換えでは、東海道上り線を縮小した車両基地に寄り添わせる形で東に最大100m移設している。上野東京ラインは第4回と第5回切り換えの間、2015年3月に開業した。

Ⅰ期の工事では、通算6回目の2018年6月の切り換えで田町―品川間の京浜東北線南行(大船方面。以下京浜南行)を東海道上り線の隣に移すとともに、品川駅でも京浜南行の線路を1本分ずらした。これにより東海道線上りと京浜南行が1つの島式ホームの左右に発着する姿となった。

そして通算7回目の2019年11月切り替えで、山手線外回り・内回りと京浜東北線北行(大宮方面。以下、京浜北行)を3線まとめて、新設工事が進捗した高輪ゲートウェイ駅の中を通過する東側の新線に移した。京浜北行が山手線を乗り越え西側へ移る立体交差も新設高架線となった。品川駅部では、京浜北行を以前は南行が使っていた線路へと切り換えた。

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