ビッグデータをどうビジュアル化すべきか 企業価値を上げる映像コンテンツ3つのポイント(下)

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ビッグデータがブランデッドコンテンツの柱に

今回ご紹介したブリティッシュ・エアウェイズの最初の事例では、アメリカ市場における顧客層データやフライト路線に関するデータを活用し、里帰りを希望するアメリカ在住インド人に特化したメッセージを生み出し、エモーショナルなストーリーとしてクリエーティブに映像表現することに成功した。後半にご紹介した事例では、ビッグデータとテクノロジーの融合により、最適のシチュエーションでターゲットとなる消費者に、インスタントに驚きと感動を与えるような映像を作り上げることに成功した。

セールス活動、あるいは顧客サービスの強化のために威力を発揮すると期待されるビッグデータだが、ATL (Above the line/情報の上流)、BTL(Below the Line/情報の下流)に限定せず、マーケティングコミュニケーション、ブランディングにも応用する時代を迎えていると言えそうだ。

まとめ

本連載では3回にわたって、①ブランドのもつ価値をストーリーの中で表現する、②最強のインフルエンサーから共感を得る、③ビッグデータの映像化――という以上3つのポイントで企業価値を上げるブランデッドコンテンツについて考察してきた。

取り上げてきたケーススタディを振り返ってみると、いずれもブランドが存在する意義、背景をとらえたうえでブランドが取り組むべき社会的課題とその役割が明確に表現されていることに、皆様もお気づきなのではないだろうか。

友人や家族との再会、核家族化、老老介護、自分に自信が持てているか、海外移住、家族……と、きっと読者の方々にも共感していただけたと思う。このようなテーマで制作されたブランデッドコンテンツの数々は、「大ヒット作」として世界中の人々をエモーショナルに感動させてきた。

マーケターに課せられた役割は、今より俯瞰からブランドと社会を見つめたブランデッドコンテンツの創造と拡散ではないだろうか。今回ご紹介したケーススタディの数々が、皆さんの今後のマーケティング活動に役立つヒントとなれば幸いである。

久保 明彦 オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン合同会社 社長兼グループ代表

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くぼ あきひこ

グローバル・アドバタイジングとグローバルPRでの豊富な経験を武器に持つ。1981年マッキャンエリクソン博報堂入社。東京、オランダ、イギリスを拠点に日本企業、欧米企業のグローバルコミュニケーションを数多く手がける。2009年からはウェーバー・シャンドウィック株式会社代表取締役として、日本国内外における戦略的PRをリード。2012年9月にはオグルヴィ・アンド・メイザー初の日本人社長に就任。スイスIMDにてPED(1998年)、米国ハーバード・ビジネス・スクールにてAMP修了(2004年)。ペンシルバニア大学ウオートン・ビジネス・スクールFuture of Advertising海外board member。テンプル大学日本校理事。エンジン01文化戦略会議会員

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