ミニスカ導入で一悶着、スカイマークの誤算 エアバス「A330」導入も再延期
「キャンペーン服として用意したものが、あまりに評判が沸き立ち、こちらも困惑している。かなり歪んだ解釈をされているのは、非常に残念だ」
3月7日、東京・羽田空港に直結したスカイマークの航空機格納庫。5月末から羽田発着の国内主要3路線で順次導入する、仏エアバス製の「A330」型機のお披露目会見に臨んだスカイマークの西久保愼一社長は、こう漏らした。機体と同時に発表した女性の客室乗務員(CA=キャビン・アテンダント)が着るミニスカートワンピース(ミニスカ)の制服。そこに世間の関心や記者の質問が集中したからだ。
スカイマークはA330が飛ぶ3路線で、半年間限定のミニスカ制服を導入する。A330初就航となる5月31日の羽田-福岡線からスタート。9月には羽田-沖縄線、来年(2015年)には羽田-新千歳(札幌)でも始める。
「着たくない人に強制はしていない」
スカイマークは今回の発表に先駆けて、昨年末にフランスのエアバス工場でA330とミニスカ制服を先行公開しており、大きな話題となった。その中心は、A330よりもミニスカ。鮮やかな青一色でひざ上をカットする、華やかなデザインでまとめられた制服がクローズアップされた。スカイマークCAの通常制服は、ポロシャツとズボンという地味で実用的なスタイルのため、ギャップが大きかったという側面もあるかもしれない。
西久保社長は、「目立つように広告の一環として用意した。スカイマークは国内線において38歳までをCAの職務定年としており、若くて元気なスカイマークをアピールしようと思った。各路線半年ずつしか使わないし、ほとんどの路線は今まで(と同じ服装)のサービスを続ける。会社全体で見るとごく一部の便(のキャンペーン)だ」と話す。
ところが、「目立つ」という目的は十分に果たしたものの、見ようによっては大胆でセクシーとも言えるミニスカ制服が、セクハラや保安上などの問題につながるのではないかと、物議を醸す事態になった。
これに対し、西久保社長は「着たくない人には当然強制していない。20年前、JAL(日本航空)が(ボーイング社製のB)747(型機)を初めて入れるときに、ほとんど同じ丈のユニフォームを採用しており、前例はある。保安上も問題はないし、セクハラの問題が起こるとも思っていない」と言う。「場違いな気持ちを呼び起こさないか」という報道陣の問いには、「お客様を侮辱している」と答えた。