12月決算会社中51番目に多い2万9335人の株主を擁するGMOインターネットは、株主が参加しやすくするため、2019年は上場しているグループ会社8社中5社が、日曜もしくは祝日に開催した。
だが、2020年は逆に来場を控えるよう呼びかけ、開催日も3月30日とするなど、開催日を後ろ倒しにした。
総会の当日はホームページ上でライブ中継も実施し、株主以外でも視聴可能だ。ソフトバンクも決算説明会や株主総会をライブ中継してきたが、GMOは2020年が初めて。「2021年以降も株主の反応をみて、株主の不利益やハードルがない限り継続したい」(同社広報)という。
富士ソフトは「バーチャル株主総会」を実施
経済産業省は2月26日、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」(以下、バーチャル総会)に関する実施ガイドを公表した。バーチャル総会とは、取締役などがリアルの株主総会を開催しつつ、インターネットなどを使って遠隔地の株主が総会に参加・出席できる総会のことだ。ソフトバンクなどのような一般公開型の株主総会中継と異なり、参加・出席できるのは議決権を持った株主に限定している。
バーチャル総会には、参加者が議決権行使や質問などをすることができない「参加型」と、それができる「出席型」がある。参加型は、希望する株主にIDとパスワードを発行し、WEBサイト等で配信される中継動画を視聴してもらう。質問や動議を出せないが、参加者のコメントを議長の裁量で取り上げることはできる。議決権行使は事前に郵送かインターネットで済ませておく必要があり、すでにグリーやアステリアで実施された実績がある。
これに対し、出席型の場合、会社側は通信障害の対策を施さねばならず、株主側も参加可能な通信環境を備えていることが前提になる。12月決算企業で唯一、この出席型総会の実施に踏み切ったのは、独立系ソフト開発大手の富士ソフトだ。2019年12月末時点の株主総数は1万1118人で、例年の出席株主数は200人前後にとどまっている。
同社が3月13日に開いた総会でバーチャル出席を希望したのは11人。事前に通信環境を会社側に申請させ、議決権行使に必要なiPadを保有していることを必須条件とした。
一方、リアル会場での出席者は159人。当日は密集を避けるために複数の会議室に映像と音声を同時中継し、座席の間隔を大きくとった。同社は以前からバーチャル総会用のソフト開発を進めており、今回もリアルの総会会場に、出席者の人数分のiPadを用意し、iPad上で議決権行使できるようにした。
同社は「少人数だからこそ実施できたが、マンモス総会に対応できるかどうかは未知数」(広報)としている。
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