「バーチャル開催」は株主総会の新潮流になるか コロナ不安でも株主総会は中止できない

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新型コロナウイルスの拡大を受け、株主総会の開催方法を工夫する会社が増えている。写真は2019年6月に開かれたトヨタ自動車の株主総会(編集部撮影)

政府からの自粛要請を受け、大規模な集会やイベントが中止を余儀なくされている。

そんな中、法律上中止にできないのが定時株主総会だ。会社法の規定により、株主全員の同意があった場合以外は、必ず総会を開催しなければならない。

3月は12月決算企業の定時株主総会が開催される月で、12月決算の上場会社は453社(3月10日時点)あり、このうち4月開催の窪田製薬ホールディングスを除く452社が3月中の開催を予定している。

4月に株主総会を延期する会社はゼロ

その窪田製薬も、2016年の上場当時から毎年4月に総会を開催している。つまり、新型コロナウイルス対策を理由に株主総会の開催を4月以降に延期する上場会社はゼロなのだ。

法務省は定時株主総会の開催時期について、「会社法上、事業年度の終了後3カ月以内に必ず定時株主総会を招集しなければならないものとされているわけではありません」というコメントを発表している。

しかし、株主総会の開催日はそう簡単に動かせない。株主総会の開催が決算期末から3カ月を越えてしまうと、翌期の第1四半期が終わっても役員人事が確定しないという事態を招いてしまう。配当の決議機関を株主総会としている会社では配当の支払いが遅れ、税務処理の面でも影響が出る。

5ページからの一覧は12月決算の上場会社を単元株主数の多い順に並べ、上位50社を掲載したものだが、2019年と同様、総会開催日も総会開催会場もほぼ同じという企業がほとんどだ。

大半の企業が招集通知に新型コロナ対策についての注意書きを付し、議決権行使は総会会場に来場せずに、郵送もしくはインターネットで行使することを推奨。会社側のスタッフはマスク着用。具合が悪そうな人には声かけをし、退場を促すなど、臨戦態勢モード全開である。

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