「大暴落後に買っておきたい銘柄」の選び方 株式市場の間違い探しをする時かもしれない

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まずは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で時間的なずれが生じたとしても、今後の需要拡大がほぼ間違いない5Gに関わる企業や、国の予算によって強力に推し進められる防災・減災、国土強靭化に関わる企業、同じく国策である教育分野のICT(情報通信技術)関連なども外部環境の変化に強いビジネスと考えて良いだろう。株価が大きく下げたところは、少し長めのスタンスで投資を考えたい。

また『会社四季報』の春号も、個人投資家にとっては、投資のヒントを与えてくれるはずだ。昨年末に発売になった新春号においては、各企業の業績などについて新型コロナウイルスの影響は全く織り込んでいない。だが春号においては、完全網羅とはいかず、不確定要素も多いとはいえ、各企業が新型コロナウイルス感染問題の影響を受けるか否かを判断する大きな手掛かりになりそうだ。

新型コロナが「追い風」になりそうな企業も

さらに、今回の新型コロナウイルスへの対応が追い風になりそうな企業を探すのも興味深い。マスクや消毒液、さらにはトイレットペーパーなどが大量に売れたとかいう短期的なものではなく、今回の感染拡大が「中長期的な利益成長を後押ししそうな企業」に注目してみたい。その代表例はテレワーク関連だろう。新たな働き方としてテレワークを導入する企業が増えるというのは既定路線であったが、足もとで導入の動きは一気に加速しており、関連株も既に動意付いている。

例えば、テレワーク関連ではパソコン流通最大手のダイワボウホールディングス(3107)には出遅れ感が強い。また食材の宅配やテイクアウト、中食の市場拡大にも弾みが付きそうで、食品容器の需要が伸びれば、最大手のエフピコ(7947)にメリットは大きい。

セントラル空調から個別空調へなど、空調に感染防止の観点が加味されることで、ダイキン工業(6367)など空調ビジネスに新たなチャンスも生まれそうだ。そして、「タッチしないタッチパネル」としての空中画像を可能にするプレートを開発、量産体制の構築に取り組んでいるアスカネット(2438)も今回の感染拡大によって衛生面に威力を発揮する製品に対する関心が高まるだろう。

投資の世界では、暴落とチャンスは表裏一体だ。世界中で大問題となっている新型コロナウイルスの感染拡大も、収束に向かい出すと、あらゆる意味で回復は早いとの見方もある。悲観一辺倒に流されることなく、冷静に前向きにチャンスを探していきたい。

有沢 正一 岩井コスモ証券 投資調査部長

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ありさわ しょういち / Shoichi Arisawa

1981年大阪府立大学経済学部卒業。1989年岩井証券入社、株式部、調査部などの勤務を経て、2003年イワイ・リサーチセンターセンター長。2017年5月より現職。日本証券アナリスト協会検定会員。株式投資の対象として有望な企業を発掘するため、関西を中心に企業の調査・分析に取り組むかたわら、個人投資家向けに月10回ペースで株式セミナーの講師を務める。

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