「金余りだから必ず株高」と信じる人が陥るワナ

新型肺炎前からすでに日本企業の収益は悪化

日本の経済は「新型肺炎」が蔓延する前からすでに悪化していた(写真:アフロ)

このところ、世界の市場は、新型肺炎に関する楽観や悲観に振り回されている。

当面は新型肺炎でのドタバタが続きそう

先週も、12日(水)のアメリカ市場では、その前日に大手ヘッジファンドの創業者であるレイ・ダリオ氏が、アブダビでの会議で新型肺炎について「その一時的な性質から、資産価格には恐らく若干誇張された影響を及ぼしたと思われる。従って私は反発のような展開を見込んでいる」と述べたと報じられたことを材料視し、主要な米株価指数は大きく上昇した。それにつれて為替市場では米ドル円相場が一時1ドル=110円を超え、日経平均先物も2万4000円に迫った。

しかし13日(木)になると、日本市場の寄り付き前に、中国での新型肺炎の感染者数が急増したとの報道が流れ、内外市況は再度下振れをみせた。
ダリオ氏がいかに著名な投資家であっても、一人の発言で新型肺炎への懸念が後退した、と騒ぐのはやりすぎだと感じるし、一方で中国での感染者急増についても、新しい検査方式により感染が見つかった人を加えたことによるところが大きいので、これも過剰反応だと言える。とは言っても、これからも当面は、こうしたドタバタによる内外市況の上下動は、現実的にはたびたび生じるのだろう。

なお、こうした上下動は、「人間の投資家」が、そのたびごとに心の底から悲観したり楽観したりしているわけではなく、真偽は不明だが「アルゴリズム取引が、機械的に報道の文言を拾い集めて先物などを売買しているからだ」との指摘が聞かれる。また、新型肺炎に関する諸報道を巡っての売買が理不尽であろうとなかろうと、現実に市況が大きく動くと、投機的な売買を行なっている向きが、慌てて高値で買いに行ったり安値で投げ売りしたりして、それがさらに値動きを増幅している面もあるだろう。理由はともあれ、短期的な市況の変動が大きく不規則に生じるのであれば、投機的なポジションで臨むのは危険だと考える。

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