日経平均株価の「高値更新の舞台」は整った 「財政出動」「金融緩和」の流れは止まらない
先週末7日のNYダウは277ドル安の2万9102ドル、ナスダックも51ポイント安の9520ポイントと反落して引けた。
NY市場は下落したが「米株の1人勝ち」は不変
注目の1月雇用統計非農業部門雇用者数は前月比+22.5万人で、予想の+16.5万人を上回り、昨年11月来で最大となった。また、同12月分は14.5万人から14.7万人へ、11月分は25.6万人から26.1万人へ、それぞれ上方修正された。
一方、失業率は3.6%と、予想外に上昇したが、労働参加者が増加したことが原因でポジティブにとらえられている。市場が注意する平均時給は+0.2%と昨年12月の+0.1%から伸び、前年同月比では+3.1%と、予想の+3.0%を上回った。
しかしこの好材料も、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策報告書で「新型肺炎による中国景気の混乱は、世界景気にも広がる可能性がある」と指摘されると、このところの急騰に対する利益確定に押され、7日のダウは一時322ドル安となった。
アメリカ株はこのところ連続的に史上最高値を更新するなど、好調な景気を材料に、新型肺炎世界的拡大を無視するかのように上昇している。だが、時々それを思い出しては売られる。基本的にNYの投資家は、新型肺炎の拡大よりも、大統領選の話題に注目している。中国武漢に近いアジアや日本の投資家に比べて、距離的に離れているNYの投資家の関心が薄いのはやむを得ないことかもしれない。結果的に、株価はアメリカの一人勝ち状態だ。
さて、日本株はどうか。先週末は、前日の急騰や、2013年から始まったアベノミクス相場の高値圏に迫っていることもあり、利益確定に押され、朝方高かった7日の日経平均株価は45円安となった。また、6日の東証1部売買代金3兆円越えは、ファンドの買い戻しに対する他のファンドが売り向かったためであり、個人投資家の売り板をしっかり拾い上げて上昇する本物の相場ではなかった。
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