ビル・ゲイツ「コロナ対策は巨額投資が必要だ」 100年に一度の病原体として扱うべきだ

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アフリカおよび南アジアの国々を支援し、こうした国々の準備が整うことにより、私たちは彼らの命を救い、ウイルスの世界的拡大を抑制することができる(COVID-19への世界的対処に弾みをつけるため、メリンダと私はLMIC諸国に重点を置いてかなりの支援をしており、これは総額1億ドルほどになる)。

それ以外に、世界はCOVID-19の治療とワクチンへの取り組みを加速させる必要がある 。科学者たちは数日でウイルスのゲノム配列を特定し、効果を期待できる数種類のワクチンの候補を開発した。また、感染症流行対策イノベーション連合はすでに、臨床試験に向けて最大8種類の有望なワクチン候補を準備している。

そのいくつかが動物実験で安全性と効果が証明されれば、6月の始めにも早速、大規模な試験に臨む準備ができる。すでに安全であることが検証済みの化合物ライブラリーを利用し、抗ウイルス剤を特定するのに機械学習などの新たなスクリーニング技術を応用することで創薬に拍車をかけることができる。抗ウイルス剤が特定できれば、数週間以内に大規模な臨床試験を実施できる可能性がある。

安全で効果的なワクチンを素早く提供できるように

これらすべては、今回の危機に立ち向かう手段となる。しかし、次にエピデミックが起こったときに、より効率的かつ効果的に対処することができるよう、さらに大きな体系的変更を加える必要がある。

LMIC諸国に対して、主要な医療制度を強化する支援を行うことも不可欠だ。病院建設は、エピデミックと闘うためのインフラの一部を作ることにつながる。熟練の医療従事者は、ワクチンを提供するだけではない。病型の観察もでき、潜在的な集団感染を世界に向けて警告する早期の役割を果たすことができる。

各関連組織が直ちに症例データベースを利用できるようにしたり、各国で情報の共有を求めることができるようにするなど、疾病監視に投資することも必要だ。政府は、緊急時に備蓄をしたり、転送したりすべき生活必需品の一覧だけでなく、地方の指導者から国際的な専門家まで、即座にエピデミックに対処できる熟練した人材の名簿を作っておかなければならない。

加えて、安全で効果的なワクチン、および抗ウイルス剤の開発ができ、承認を受け、感染の速い病原体を発見した場合に、数カ月以内に何十億もの服用量を調達できるような体制を構築する必要もある。それには公的部門と民間部門の連携が必要なだけでなく、技術的、外交的、予算的な障害も横たわる。しかし、これらの障害はすべて克服可能である。

ワクチンに関する主な技術的課題の1つは、タンパク質製造の古いやり方を改善することだ。エピデミックに対処するには時間がかかりすぎる。私たちは、有効であると思われる安全なプラットフォームを開発し、規制当局の迅速な検査を促さなければならない。これにより、製造業者が薬品を低コストで大量生産しやすくなる。抗ウイルス剤に関しては、既存の治療法や候補分子を、迅速かつ規格化された方法で検証する組織体制が必要だ。

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