今回、下院多数の民主党が巻き起こした弾劾騒動は、皮肉にも「逆ねじ」となって、今年11月の上院下院議員選挙には、民主党に不利となって跳ね返ってくる。その可能性はますます強まってくる。
今後、大統領選でも、議員選挙でも、各候補たちの争いは、ますます激しくなることは間違いない。そうした中で注目されるのは、やはり修羅場に強いトランプ大統領の激しい弁舌や巧みな交渉術であろう。
トランプ大統領自身は、つねに元気いっぱいで変わりない。日本の人々は、全米のメディアにこっぴどく批判されながら、よく体力と気力が持ちこたえられるものだと思うかもしれないが、そこがトランプ大統領の真骨頂なのである。
トランプは訴訟の勘が鋭い
トランプ大統領は、アメリカという訴訟社会の中で、ビジネス人として訴訟の嵐を何度もくぐり抜けてきた実績を持つ。法律家でないが、訴訟の勘は鋭い。だからこそ、法律論戦でも自信満々で「反トランプ」メディアと渡り合う。さらに、ビジネス人として豊富な実績のほかに、高視聴率を誇ったテレビの「メディア人」としてのキャリアも合わせ持つ。メディアのプロフェッショナルとして、メディア批判はお手の物だ。
アメリカのメディア界は、激しい批判の応酬が当たり前の世界である。メディア関係者による、まるで怒鳴り合いのような猛烈な仕事ぶりを目の当たりにしてきた筆者の長年の経験からすると、トランプ大統領のツイートは、メディア関係者の怒鳴り合い合戦を彷彿とさせる。
これからもトランプ大統領の痛烈なツイートは、「反トランプ」メディアに向かって連発されることだろう。その怒鳴り合いに、前述のダーショウィッツ名誉教授のような解説が加わると、トランプ大統領のメディア人としての評価が、アメリカ選挙民の間でも見直されてくる。その見直し効果はすでに広がりつつあるのではないか。
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