日本は中国からどんな食材を輸入しているのか。輸入品は肉類、畜産品、野菜、果実、水産物、各種加工品まであらゆる分野に及ぶ。輸入金額合計に占める中国のシェアは12.5%だが、輸入農林水産物約400品目中、中国がシェアトップは110以上もあり、輸入品目のシェアは25%を超える。対中依存度の高さを示す数字である。農水省の農林水産物輸出入情報で年間の輸入金額が大きい品目を調べてみた。
水産物:合計3147億9726万円
林産物:合計1591億0282万円
農産物が全体の60%を占めている。農産物の内訳はどうなっているのか。もっとも多いのが「野菜・その調製品」で2498億円。さらに、その細目を見ていくと次のような品目が上位となっている。
●冷凍野菜:934億2815万円
●野菜缶・びん詰類等:615億7146万円
野菜調製品というとわかりにくい。農水省の国際経済課に確認したところ「冷凍、加熱、味付け処理したもの」だという。冷凍野菜などの調製品や野菜缶など加工された形で輸入された農産物の比率が高いことがわかる。
個別の野菜などで輸入額の多いもの
個別の野菜などで輸入額が多いのはどんなものがあるか。
●たまねぎ:128億9091万円
●乾燥した豆:110億4001万円
●茶・マテ:78億3481万円
●ネギ:70億9382万円
●冷凍ブロッコリー:49億7820万円
●冷凍枝豆:39億1292万円
スーパーで見かけるタケノコの水煮や冷凍枝豆が上位に入っているのだが、中国産のタマネギはまず見かけない。それもそのはず、大半が外食業界や惣菜業界での需要なのだ。
「中国からのタマネギは皮がむかれた形で入ってきます。調理現場で皮むきの手間が省けるわけです。飲食業界は人件費がアップし、人手が足りない状況が続いていますから、少しでも手間が省ける食材の需要が高い。皮がむかれた里イモも人気ですね」(外食業界関係者)
食品企業や飲食店の中には「中国産食材は使用しない」と宣言しているところもあるが、人手不足に加え価格競争が厳しい外食業界にとって中国産野菜は必需品となっているようだ。
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