きちんと目標があって、「私の目指す方向とは違う」というのであれば別ですが、輝いている人のことを「別に」と言い、頑張っている人のことを「イタイ」「あそこまでやらなくてもね」なんて言うのは、冷静さを欠いた浅い発言です。感情的になっている、つまり、嫉妬、悔しまぎれ、負け惜しみに聞こえます。あるいは無気力。
きっとあなたをマネジメントする人は、ため息をついているに違いありません。人としての評価も落としますから、もうその手の発言はやめましょう。心の中で毒づけばいいだけです。
やるべきは、お手本の細分化
繰り返しになりますが、結論としてはやはり、三位一体のロールモデルなんて、見つけられないということです。いなくて当たり前なのです。それでもお手本が欲しかったら、条件は人それぞれ違っているので、仕事、生き方やありさまにスポットを当てて、さらにその中も細かく分けていくのはどうでしょうか。
「こういう仕事の、こういうやり方、すごい!」とか、「あの人の、ああいうところけっこう好き!」とか。いろいろな人の一部だけを切り取ってお手本にする。または「彼女のああいう言動は見習いたくない」「もっとこうすればいいのに」とか、反面教師を見つけることもできますね。ばらばらのお手本をばらばらにまねしながら、自分のありたい姿に近づいていくしかないのかもしれません。
そう考えていくと、ロールモデルの本来の意味と照らし合わせても、それが女性である必要は、まったくありませんよね。男性でもいいわけです。隣に座る同僚だって後輩だって、お父様だっていい。そして周囲をよく見れば、自分より優れた何かを持った人なんてごろごろしているし、書物の中にも発見できる。「小分けしたロールモデル」を探してみるといいのではないでしょうか。
ロールモデル候補になりそうなすてきな女性の話を聞いてわくわくしたい、自分も頑張ろうと思いたい、と思って誰かと会う。それなのに、あまりわくわくしなかったとしても、それは相手のせいじゃありません。あなたの話を聞くスタンスの問題。
そしてその気分は、相手に伝わってしまっています。誰だって、「あこがれの人です!」とか言われて、楽しそうに話を聞いてもらえたらうれしくなって、最終的にはいろいろと面倒までみてしまいますし、「参考にならない」と言われたら「なんだコイツ」「時間の無駄だった」と不快になります。
話すほうも、自分の行動特性や考え方を整理できる利点がありますから、聞き上手は最終的には感謝されることが多いもの。完全なロールモデルを見つけるために、ではなく、「小分け」を目的にして、たくさんの先輩の話に耳を傾ける機会を作ってみましょう。自己の内面ばかりに目を向けていたり、「ロールモデルがいない」などと嘆いたりしないで、身近な先人からヒントをもらいつつ、試行錯誤でいきましょう!
あなたも近い将来、「ロールモデル探し」の若い子に、傷つけられるときがやってきます。そのときは、一緒に「そんなの、いるわけないじゃない!」と笑い飛ばしていたいですね。
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